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2019/04/29

5分間だけドレミを忘れましょう

こんにちは。久しぶりに人前に出て色々やってきたので活動報告をします。

篠笛について英語でスピーチ


ここ1~2週間の間で、篠笛について英語でお話する機会が2回ありました。


いずれも5分間の中で篠笛のお話と演奏をする内容でして、聞き手は西洋音楽分野に関わっている、篠笛のことを全く知らない外国の方たちです。



篠笛に関する知識は数年前と比べたらかなり増えましたし、今の私は自分の意見・主張を明確に持っていますので皆さんにお伝えしたいことはてんこ盛りにあります。


ですが、聞き手が篠笛のことを全く知らない外国人である、英語で話さなければならない、時間の制約がある、アウェイ状態である(笑)、といった条件がありましたので、これまで得た膨大な知識・情報の大半を一旦削ぎ落として本当に伝えたいことだけを抽出してスピーチに臨む必要がありました。

考えてみてください、知らない楽器を持った日本人が突然現れて、さして流暢でもない英語でそのよく分からない楽器の難しい話を延々とし出したら。

話全然入ってきませんよね。
それにちょっと怖いです(笑)


と、いうわけで大事なところだけシンプルに、わかりやすく伝えて、皆さんに篠笛という楽器のことを覚えて帰ってもらうべく、次のテーマでお話してきました。


「5分間だけドレミを忘れましょう」



大まかな流れは以下です。

①篠笛の簡単な説明
             ↓
②音律の話 (日本十二律と西洋12平均律)
             ↓
③5分間だけドレミを忘れて日本の音に触れてください
             ↓
④演奏(がっつり日本の音曲)


英語での話術が未熟なので、まだまだ改善点はあるものの、話のテーマ自体の食いつきは意外にも良かったです。

②の音律の話は、うんうんと頷かれてる人も結構いらっしゃいました。
難しく話そうと思えばいくらでも難しく話せる題材ですから、初めてこういう話を聞く人にも分かりやすく伝えるために一番工夫した箇所ではありました。

音律の説明のあと、このような話をしました。(以下私が話した英語を日本語に翻訳したものです)

時々、ピッチにこだわる方々が親切にもこのようなご忠言をくださることがあるんです。
「君の笛のピッチは外れているね」   (会場 笑い声)
このご忠言は正しくもあり、同時に間違ってもいます。
彼らが西洋音律を基準にして私の篠笛のピッチについて話しているのなら、「外れている」と言えるのかも知れません。しかし、そもそも篠笛は日本の音律で調律された日本の楽器です。日本の音律を基準にした時、私の篠笛のピッチは「外れていない」のです。

西洋音楽に関わっている人たちの前でこんなことを話して総スカンを食らわないかしらと内心ヒヤヒヤしましたが、これを話した時の会場の反応が一番大きかったです。
「めっちゃわかる」と言いたげに大きく頷いている方がいらしたのが印象的でした。


短くシンプルながらもきちんと篠笛のこと、音律のことを伝えられたので、
③→④の流れはとてもスムーズでした。


人前で英語で話すことに緊張し過ぎて、逆にその後の演奏になるとホッとしたのか、両日ともキレイな音が出て、指も滑らかに動きました。
よし、これからは演奏前必ず英語で話をしよう(笑)


スピーチ・演奏終了後、「今日初めてあなたの楽器を知ったが音がとても良かった」と声をかけてくださった方がいらしてとても嬉しかったです。
お話だけではなく、篠笛の音色の良さもちゃんと伝わっていたようで安心(*˘︶˘*)

良い経験となりました。


以下、出演したイベントの写真。
1つ目のイベントは写真がないので、2つ目のイベントのみ。



最近、篠笛について英語でお話する機会がありました。篠笛を、「伝統」"tradition" / "traditional" という言葉を一言も用いずに説明できたことは私にとっては大きな自身につながる出来事でした。【ある篠笛好きのつぶやき-北緯一度から-】シンガポール在住の篠笛愛好者のブログです。A Shinobue, Japanese bamboo Flute lover in Singapore
とあるイベント会場のkult kafé
丘の上にございます
さて、何のイベントでスピーチ&演奏したのでしょう?






We Love Jazz SG 主催
「We Love Jazz SG celebrates International Jazz Day 2019」
にお邪魔しましたー
Jazzはもちろんやってません(笑)

出演者一覧のポスター
素敵なJazzパフォーマーの方たちがたくさん出演されていました
洋楽はやりませんが、洋楽を聴くのは好きです




ここからはちょっとだけ真面目なことを書きます。




「日本の伝統楽器です」って言っちゃうのは簡単。でも・・・


今回一つ自分を褒めてあげたいのは、篠笛を、「伝統」"tradition" / "traditional" という言葉を一言も用いずに説明できたことです。

「篠笛は日本の伝統楽器です」は強い印象を与える文句です。
海外でこれを言うと間違いなく注意を引けます。
と、同時にもうこれだけ言っちゃえばすべて説明した気になれてしまうという、落とし穴のような側面もある文句です。

事実、篠笛が日本の伝統楽器であるのは間違いありませんが、私は篠笛を吹いている限りは、篠笛のこと(歴史・特徴・音の鳴り方・音律・種類・吹かれている分野 等々)をきちんと説明できる人でありたいと常日頃から思っているので、安易に「伝統」という言葉に頼らないで篠笛のことを伝えるよう心がけています。

誤解のないように書いておきますが、私は別に「篠笛は日本の伝統楽器です」と言うことを批判しているわけではありません。「伝統」という言葉を使わなくても、篠笛を語れることはたくさんある、ということを申し上げたいだけです。

今回はオーディエンスの皆さんが積極的、好意的な姿勢でお話を聞いてくださったこともあり、篠笛の中身の説明だけで、結果として篠笛が長い歴史を持つ日本の伝統楽器であることを伝えることが出来ました。それは私にとっては大きな自信につながる出来事でありました。



【ある篠笛好きのつぶやき-北緯一度から-】シンガポール在住の篠笛愛好者のブログです。A Shinobue, Japanese bamboo Flute lover in Singapore
脈絡なく猫ちゃんの写真を貼ってみる(笑)
同じHDB(シンガポールの団地)に住む仲良しの猫ちゃんです

ドレミは日本の伝統?


篠笛が日本の伝統楽器であるのは間違いないと書いておいて矛盾してしまうのですが、実は最近「本当にそうなのか?」と感じ始めている自分がいます。

現在、ドレミ笛で演奏する奏者・愛好家さん達が9割以上を占めているそうです。
このような篠笛業界の現状を考えますと、篠笛を「日本の伝統楽器」と言って良いのか疑問を抱いてしまいます。

ドレミ笛奏者・愛好家の方たちは、西洋12平均律で調律された篠笛で洋楽系音楽(洋楽・J-POP・アニソン・童謡唱歌等)を演奏されています。私は、これらの行いの何れの点に於いても「日本の伝統」的要素が存在しているとは思えないのです。



「何を言うか、ドレミは既に日本の伝統である」と日本国民の8割以上からご指摘いただいたら「知りませんでした、すんません」といよいよ考えを改めるかも知れません。

あるいは、「いや、実はドレミは1000年前から日本にあって、ここに当時のドレミ笛が・・・」と、歴史的資料をご提示の上で衝撃的事実の解説をしてくださる方が万一いらしたら即日考えを改めます(笑)


アホなことばっかり言ってますが、まあよっっっっぽどのことがない限り、ドレミが日本の伝統であるとは到底思えないわけです。

でも現在、篠笛の主流はドレミ笛です。
だから篠笛を「日本の伝統楽器」と言うことに「うっ」と抵抗感を抱いてしまうのです。


「伝統」は責任が付きまとう重い言葉


このように、篠笛をとりまく現状とそれに対して私の中で解消されないモヤモヤがあるため、篠笛を説明する際、「伝統」という言葉を使うことにさらにブレーキがかかっています。

考えすぎなのでしょうか?

考えもなく、むやみやたらに使ってよい言葉とは思い難いのですが...
使う限りは責任が付きまとう重い言葉だと私は捉えています。


最後に、私のお気に入りの辞書『新明解国語辞典 第七版』(三省堂)より以下を抜粋してこの記事を終わります。

でんとう【伝統】
前代までの当事者がしてきた事を後継者が自覚と誇りとをもって受け継ぐところのもの。


以上、「5分間だけドレミを忘れましょう」でした。

2019/04/25

篠笛「虎の巻」が公開されました 篠笛の勉強

こんにちは。久しぶりの更新です。
なんだか最近急に忙しくなってきました。

急遽、篠笛について英語で話すことになりましてスピーチ原稿を書いています。
短いスピーチなのですが、逆に膨大にある篠笛の情報を簡潔にまとめて説明するのも結構ワザが必要で大変です。しかも英語ですし。

演奏もあるので篠笛の練習もしないといけません。体調管理とタイムマネージメントが必要です。

がんばりまーす。

篠笛という名称は五世・福原百之助が名付けた、は本当?「唄用」篠笛の誕生秘話など事実を裏付ける歴史的文献・資料と共に研究・調査結果を無料公開。森田玲先生の渾身のレポート。篠笛に関わる者は必読です。篠笛を知る~祭が育む日本の音~レポート【ある篠笛好きのつぶやき-北緯一度から-】シンガポール在住の篠笛愛好者のブログです。A Shinobue, Japanese bamboo Flute lover in Singapore

忙しさのあまりに、超重要なことをお伝えできずにいました。
遅ればせながら情報をシェアさせていただきます。



森田玲先生が、昨年秋に京都芸術センターでお話された、
講座「篠笛を知る〜祭が育む日本の音〜」のレポートTARO(伝統芸能アーカイブ&リサーチオフィス) のウェブサイトにアップされました。



講座シリーズ#4「篠笛を知る〜祭が育む日本の音〜」レポート | 伝統芸能アーカイブ&リサーチオフィス - TARO

これは言ってみたら篠笛「虎の巻」です。

篠笛で分からないことはこのサイトへ行って調べたら大概答えが載ってます。
逆にここに載ってないことは、まだ調査中で解明されていないと思っておいたほうがよいです。


例えば皆さん、以下の質問の答えわかりますか?

① 篠笛の音はどこから鳴ってる?
② 篠笛の「篠」ってどういう意味?
③ 日本で一番古い横笛(現在確認されている限りで)はいつの時代のもの?
④「篠笛」はどのような人たちによって吹かれてきたか?
⑤「篠笛」という名称は五世・福原百之助氏が名付けた? はい/いいえ
⑥「唄用」篠笛が誕生したのはいつ? 誰によって考案・完成された?


答えは全部「虎の巻」にあります。

①~④は既に知っている、もしくはググったり書物を調べれば答えが見つかるかも知れませんが、⑤に関しては誤った情報がネット中を駆け巡っており、困ったことにそれが通説となっておりますので要注意です。私も篠笛をやり始めた当初、ネット情報を鵜呑みにしておりました。
「虎の巻」に正しい答えとその証拠となる歴史的文献・資料が掲載されておりますので、これまで間違って認識されていた方はご訂正のほど。

⑥は答えをご存知の方も多いとは思いますが、「唄用」篠笛の誕生秘話まで把握されている人は少ないのでは?こちらも、妄想・憶測ではなくきちんと調査し、裏を取られた上で情報を公開されていますので必見です。

また、日頃からこちらのブログで取り上げております、日本の音律と西洋の音律についてもこちらのサイトでかなり詳しく解説されております。


森田先生の篠笛人生20年の集大成レポートですのでボリュームはかなり多いですが、各章ごと少しずつ読むなり、分からないことが出てきたときにサイトに行ってピンポイントで調べるなり、積極的に勧めはしませんが印刷も出来るので印刷して資料として持ち歩くなり、とにかく篠笛をやっている人、そして和楽器に携わっている人にもフル活用していただきたいです。

なんせ、篠笛と祭に人生捧げてきた人の渾身のレポートがお金を出さずに無料で読めるんです。これってすごくないですか?
調査・研究に投じたお金と時間と労力(掲載されている歴史的文献・資料を集めるだけでもどれだけお金がかかっているか…)を考えるだけでも、このレポートが無料公開されていることは奇跡に近いと思います。


再度、こちらにリンクを貼っておきますね。

http://traditional-arts.org/report/2019/04/02/594/

ブラウザのお気に入りに登録しておくことをオススメします。

このブログの「知っておくと便利なリンクリスト」(PCバージョンをご覧の場合のみ表示されます)にも追加しておきました。


それではまた。
スピーチと演奏の準備をしまーす。



〈あわせて読んで欲しい記事〉

篠笛の勉強
ついに出た! 篠笛の専門書 篠笛の勉強

2019/04/03

六本調子篠笛でもすっぽり入るバッグ


仕事のあとに篠笛のお稽古、練習がある日のバッグ選びってどうされてます?


以前の私は、七~八管ぐらい入る大きな笛袋に篠笛を入れ、それを肩から提げてさらに通勤バッグを持って出勤しておりましたが、ここ数年は使用する篠笛が唄用の六本、七本、八本調子にお囃子用の六本調子と限られてきたので、持ち運ぶ笛の数は多くて四管。
たいそうな笛袋を使うことはめっきり減りました。


そうなると、普段使っているバッグに笛を入れて持ち運ぶことになるのですが、たいていのバッグには笛が収まりきらず、笛の先がバッグからはみ出てしまいます。
バスや電車に乗っているときに、はみ出した笛が人や物に当たったりしないかと冷や冷やします。


通勤にも使えて、篠笛も入るいい感じのバッグはないかな~と探していたら、去年の秋に大阪でこれは!というものを見つけました。


大阪のkawa-kawaさんという鞄ブランドが作られている、wetシリーズのトートバッグ Lサイズです。


水着に使用される素材に超圧縮ウレタンを圧着したオリジナル素材で作られていて、軽くてとても丈夫。伸縮性もあり、とにかくモノがたくさん入ります。



水着に使用される素材に超圧縮ウレタンを圧着したオリジナル素材で作られていて、軽くてとても丈夫。伸縮性もあり、とにかくモノがたくさん入ります。


持ち手部分は牛革を使用。





果たして、このバッグに篠笛は収まるのか...?





京師の唄用六本調子笛を入れてみます。






上から

すっぽり入りました〜 
笛を斜めに倒して収納する必要はありません。

横から

篠笛がしっかりバッグの中に収まってくれるのでとても安心。
今ではすっかり愛用しているバッグです。

一泊旅行程度の荷物は入る大きめのバッグなのに、野暮ったい感じがしないところも気に入ってます。

ブラックの他、レッド、ネイビー、チャコールの4色展開。
ブラックはチラっと見える裏地の赤がアクセントになっていてイチオシです。


商品情報や店舗情報の詳細はkawa-kawaさんのウェブサイトをご覧ください。

※昨年の秋に私が購入した際は、バッグの開口部にはマグネットボタンが付いていましたが、今はファスナー式に変わった模様です。


kawa-kawa【wet】トートバッグL ブラック
サイズ:H32×W46×D15cm


《「六本調子」はあくまで目安です》
私の唄用六本調子笛は笛袋に入れた状態で44センチです。
ご存知の通り、篠笛の長さは「○本調子だからXXセンチ」、と規格が決まっているものではありません。私が所有する六本調子笛よりもずっと長い六本調子笛も勿論ございます。「六本調子」はバッグのおおよそのサイズ感を示した目安として捉えてくだされば幸いです。
もしバッグのご購入を考えられた際は、ご自身の笛の長さをお確かめくださいね。




ちなみに、私はこのバッグを梅田の地下街、Whityうめだの「ear PAPILLONNER」で買いました。Whityうめだ・・・日本へ帰るたびに大阪駅・梅田駅周辺が様変わりしていて驚いてしまうのですが、この地下街の雰囲気は昔からあんまり変わってなくてホッします。
Whityうめだ、大好きです。



以上、「六本調子篠笛でもすっぽり入るバッグ」でした。

2019/04/02

令和時代を目前に

新元号は「令和」



昨日(2019年4月1日)、新元号の「令和」が発表されました。
248番目の元号にあたります。


海外住みで、普段から元号を使用する習慣のない私でさえも、今回の新元号発表前はソワソワして落ち着きがありませんでした。発表の30分くらい前からYouTubeの中継動画の前に張り付いて待っていました。


「令和」と聞いた時、まず最初に「ら行始まり?!」と驚き、次にその出典が『万葉集』であることに更に驚くとともに大変喜ばしい気持ちになりました。


直ちに『万葉集』第五、梅花の歌 三十二首 序文を調べました。


「初春令月、気淑風和、梅披鏡前之粉、蘭薫珮後之香」

「初春の令月にして、気淑(よ)く風和(やはら)ぎ、梅は鏡前(きゃうぜん)の粉を披(ひら)き、蘭は珮後(はいご)の香を薫(かを)らす」



(現代訳)
「早春、よい月に空気は清く風はさわやかで、梅は美女の鏡台の白粉(おしろい)のように白く開き、蘭は飾り玉にしみこませた香のような香りを漂わせている。」
(現代訳は「万葉集の植物たち」川原勝征 より)


令月は、何事をするにもよい月。めでたい月。また陰暦二月の異名でもあります。
ここでの梅は白梅を示していますね。
蘭(おそらくシュンラン)は貴族が携帯している香り袋のようにふわっとした良い香りを放っている。

短い文の中にも五感に訴えかける春の描写がいっぱい詰まっていて素敵ですね。
良い意味で予想を裏切られた新元号「令和」。私はとても好きです。






令和時代を目前に、決意固まる




安倍首相は昨日の新年号発表後の談話の中で、

「令和」には、人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つという意味が込められている

ということ、また『万葉集』に触れた際には、

悠久の歴史と薫り高き文化、四季折々の美しい自然、こうした日本の国柄をしっかりと次の時代へと引き継いでいく

と述べていました。

「令和」に込められた意味や思いは、私がお世話になっている玲月流の方向性と重なるところが多く、そういった点でも新元号には格別な心情が湧きます。

篠笛 玲月流とは / 篠笛「玲月流−れいげつりゅう−」(民の謡−たみのうた−)



奇しくも、「令和」の出典となった『万葉集』第五、梅花の歌 三十二首 序文に出てくる「令月」(れいげつ)という言葉は、意味は違えど、玲月(れいげつ)流と同じ音なんです。

なんともこんなことってあるのですね・・・


今回の新元号発表は、多くの日本人にとって『万葉集』を始めとした国書や、そこで書き綴られた日本語の響きの美しさを再評価する良いきっかけとなるでしょう。日本語という言語を通して日本の「音」が再認識される絶好の機会です。

日本の「音」の再評価が、言語にとどまらず、日本の音楽(本来、言語と音楽ははっきりした境界線で区切られるものではありませんが)を通してなされるところまで期待したいです。

しかし、日本の音楽については、明治維新以降のドレミ教育の根深さ故に、一般の人が普通に生活していたら、日本の音楽に触れる機会すら与えられないのが現状で、一筋縄にはいきません。みなさんに日本の音楽を聴いてもらう、また日本の音楽が持つ魅力を知ってもらう機会を増やすことが必要です。


その一端を担うのが玲月流であると思います。


今現在は、森田先生や奥様の香織先生にお任せするばかりとなっておりますが、私を含めた門下生も本腰を入れて、篠笛のこと、日本の音楽のことを演奏と自分の言葉で外に向けて伝えていくべきなのではないかと。

今までも勿論その考えは私の中でございましたが、新元号発表の報を受けてより一層その気持ちが固まった気がいたします。



新しい時代の到来を目前に、少し大げさではありますが、湧き上がる使命感を覚えたそんな四月朔日でした。




〈篠笛の掲示板サイトのご紹介〉
篠笛の掲示板サイト

2019/03/15

英語版ブログの記事をアップしました

おはようございます。


朝練を終えて出勤前の朝食を楽しんでいるところからの投稿です。


朝から篠笛を吹くのは実に気持ちが良いです。脳にたくさんの酸素が送り込まれて頭も心もスッキリ爽快です。


明日は月に一度の篠笛の練習会です。

練習会に向けたウォームアップと個人練習も兼ねて、朝からスタジオで吹いてきました~。

ドラムスタジオを使わせてもらっています

さて、勢いで立ち上げた英語版の篠笛ブログですが、ゆっくりペースで記事を書いてはアップしております。が、がんばっていますよぉ・・・(笑)


以前、こちらでもご紹介した「邦楽調 雲雀」のレビューを今回英語版にしてアップしました。

Hibari (雲雀) , uta-yo Shinobue review

篠笛をしている友人たちからよく聞かれるんです。

「篠笛の購入を考えているけど、どこのを買ったらいいですか?」


予算の上限がなければ「京師」をまずオススメしていますが、篠笛を購入するにあたって「SGD 200まで」と予算を決めている方も結構いらっしゃいますので、(当地シンガポールは、この予算ラインの人が多いです)手頃なお値段で竹製の唄用篠笛が欲しいという方には最近は、「邦楽調 雲雀」をご紹介しています。


この質問がWhatsAppとかで来ると、返事が超長くなっていちいち打つのが大変なので、今回英語版ブログの記事にしてアップしてみました。

これからはこの記事のリンクを貼って、「FYI(ご参考までに)」とメッセージを付ければオッケーです(笑)


”Hibari (雲雀) , uta-yo Shinobue review” 
DIARY OF A SHINOBUE LOVERより
https://shinobuediary.blogspot.com/2019/03/hibari-uta-yo-shinobue-review.html


篠笛の購入を考えているご友人の方に記事をご案内いただけますと(もちろんFYIを添えて)ありがたいです。


ではでは、今日も一日がんばりましょう!

2019/03/11

篠笛と口紅について

以前、ある篠笛をしている人からこんな話を聞いたことがあります。



「自分の篠笛を試し吹きしたいと言われたので、ある女性にお貸したら

歌口に口紅がベッタリ付いて返ってきました・・・

どうやって落としたらいいんでしょう・・・」


ヒエーーーーーーッ


他人の篠笛を吹かせてくれっていう結構 踏み込んだお願いをしてきた上に、口紅を落とさずに吹いて、おまけに歌口に付着したのも拭わず返してくるというトリプルパンチをかましてくる人に出会うことはそう多くはないと思いますが、実際に遭遇された方がいらっしゃるのも事実。

気の毒過ぎます。



これは私、同じ目にあったら、

うちの可愛い笛に何してくれるんじゃァァァあぁ!! ( /TДT)/ポカポカ

って怒りそう(笑)

きっと篠笛に付着した口紅もなかなか落ちないでしょうし、かなり凹みますね。



私は普段から口紅をつけないので口紅の原料が何なのかあんまりよく知らないんですけど、おそらく竹で出来た篠笛に付着して良いものではないと思っています。


仮に口紅は篠笛に付着しても無害だし、付着することで竹が劣化したり、音が鳴らなくなることはありません!と、科学的に証明されたとしても、とりあえず自分の篠笛に紅なりピンクなりの色が付いてしまうこと自体に抵抗があります。個人的感覚として。




もちろん、口紅をつけて笛を吹かれている方もいらっしゃると思います。

例えば、長唄邦楽囃子笛方の女性奏者の方たちは和装でビシっと決めていらっしゃいますから、紅をさしてないと舞台映えせずかえって不自然かも知れません。

無知な私が知らないだけで、口紅をつけて舞台に上がられている篠笛奏者の方達の間では、笛に口紅が付着しないようなメイク方法が常識として浸透している、ということもあり得ます。
最近はリップティントとか流行ってますしね。


いずれにしましても、ご自身の笛に口紅が付くか付かないかの問題なので、口紅をつけて
篠笛を吹くことに対しては、その人が良ければそれでいいんじゃないですか、というのが私のスタンスです。



ただ、冒頭のお話のように、

人の篠笛に口紅を付けちゃうのはマナー違反かなぁ


とは思いますね。


人の笛を吹かせてもらう時は、最低限のマナーとして口紅は落としておいて欲しいです。



色々書きましたが多分一番言いたかったのはこれです。



最後に一点、もしこのブログを読んでいらっしゃる方でご存知でしたらお尋ねしたいのですが、笛に口紅が付いてしまった場合、笛を傷つけない口紅の落とし方はありますでしょうか?


「どうやって落としたらいいんでしょう・・・」


私、口紅を使わないものですから、この話をお聞きした時に、良い口紅の落とし方を答えることが出来なかったんです。


無責任に「ふくだけコットン」で拭き取りましょうとか言えませんものね。


もしもご存知の方いらっしゃいましたら、コメントかメールでも良いので教えていただけますと大変有難いです。よろしくお願いします。



以上、篠笛と口紅について でした!


オーストラリアのご家庭には必ず1本は常備されてると言われてる万能クリームは唇ケアの決定版。
口紅は一本も持っていませんが、唇ケアの決定版 
ポーポークリームの写真を一枚
唇がガッサガサに乾燥していては笛もうまいこと吹けません
パパイヤが主成分で虫刺され、擦り傷、ニキビなどにも効くクリーム
シンガポール島内でも手に入ります

2019/03/06

篠笛の練習【動画撮影して記録を残す】

職場が入っているビルの1階に朝8時から開いているスタジオがありまして、仕事前にそこへ寄って1時間くらい篠笛の練習をしてから出勤するようにしています。


朝一番から篠笛を吹いて深い呼吸を繰り返すことで、酸素がたくさん脳にまわるのか、練習後は頭がスッキリします。仕事の効率も上がって非常に良い感じです。


ここ1ヶ月くらい、

篠笛の練習をする時は自分の吹いている姿をずっとスマホで動画撮影するようにしています。


この練習方法は次の3つの理由で非常に効果的です。

  1. 緊張感が半端ない
  2. 鏡チェックに比べて練習時の集中力アップは確実
  3. 指の動きや息遣いなど細かい点がスロー再生や静止画面で何度も確認できる


  1. 緊張感が半端ない

    ただの自己練習なのに スマホの録画ボタンを押した瞬間、一気に緊張感が走ります。誰かに見られているような、舞台に上がって演奏する時の心理状態に似た感覚で練習することが出来ます。

  2. 鏡チェックに比べて練習時の集中力アップは確実

    鏡で自分の吹いている姿を確認する方も多いと思いますが(私もずっとそうしてました)、それってつまり顔を上げてしっかり目を開いて鏡に映った自分を見ているんですよね。
    吹きながら鏡に映った自分の指の動きを見たり、姿勢を確認したり、吹いている時の自分の顔を見て「おもろい顔やなぁ」とか思ったり(笑)
    目線があちこちに移ったり他事を考えたりして笛を吹くことに100%集中してないんです。
    その点、動画撮影だと吹きながら自分の姿を確認する意識はなくなりますから(反転モードにしていたら話は別ですが)、目線を動かす必要もなくなり、理想的な半眼に近い状態で練習に臨めます。集中力アップは確実です。

    自分の吹いている姿はあとで動画で確認すればいいですからね。

  3. 指の動きや息遣いなど細かい点がスロー再生や静止画面で何度も確認できる

    吹いている時はスルーしがちな指の動きや息遣いの課題点を、あとで何度もスロー再生や静止画面で確認できることもメリットです。

    自分ではそこそこ上手く指回しが出来ているなと思っているところも、動画で見たら指の動きが全然滑らかではなかったりして愕然とします。
    鏡越しに見る己の姿は脳が勝手に補正してくれるので、自分への評価が甘くなりがちですが、動画は補正ゼロです。記録した動画を見れば見るほど現実を突きつけられて「全然あかんやん」と凹みそうになります。

    でも、自分の欠点を受け入れないことには改善に向けての一歩が踏み出せませんから目を背けてはいけないんですね・・・なかなか精神的にキツい時もありますが、地味に地道にガンバリマス。

練習中の撮影動画をスクショ
なんかカタいなぁ



以上、篠笛の練習【動画撮影して記録を残す】でした。

英語ブログ "Diary of a Shinobue lover" も記事アップしました!
指打ちについて書いています。
I just updated my blog!

↓↓↓

2019/03/01

私の篠笛

英語版ブログの記事でも書いたのですが、今日は私が普段吹いている篠笛をご紹介します。


というか、なんで今までこれを書こうと思わなかったんでしょう。


まずは、古典調から。


大きく芯のある音が出ます

「京師 - みやこ -」古典調(お囃子用)六本調子 総巻


日本十二律調音篠笛。古典的な雅楽の横笛の音階に近い。
お囃子を吹く時はこれです。

「京師 - みやこ -」(以下「京師」)の古典調は太鼓の爆音を物ともしない、大きく芯のある音がスパーーーンと出ます。
管が太いので吹き手の息量、技量、スタミナをものすごく問われます。
調子悪い時は、全然鳴らない...修行の足りなさを感じさせてくれるシビアな笛です。

私はこれで奏でる「さくら」が味があって好きだったりします。



お次は、こちら。


  

「京師 - みやこ -」邦楽調(唄用)上から六本調子、七本調子、八本調子  天地巻



日本十二律調音篠笛。指穴の配置が自然で、指(特に右小指)に変な負担をかけずに無理なく指回しが出来るように作られています。


日本古歌、わらべ歌、民謡を吹く時は主にこちらの邦楽調(唄用)笛を使います。
太鼓と演奏する時に使うこともあります。


私は長唄は吹きませんが、元々この唄用篠笛は、長唄に代表される三味線音楽
と合わせやすいように昭和初期に考案されたものと理解しています。


「京師」の邦楽調(唄用)笛は、可愛らしい音が出たり、艶っぽい音が鳴ったり、そうかと思ったら古典調に負けないくらいパワーある音を放ったり表情豊かなところが好きです。


左から古典調六本調子、邦楽調六本調子、七本調子、八本調子
私の邦楽調八本調子には数字が入っていないのです。ちょっとめずらしいでしょ?


京師の焼印


「京師」を使い続けてもう丸3年が経ちます。
何度かこのブログで触れているように、私は元々ドレミ笛から篠笛を始めて、篠笛歴2年目の時に「京師」に出会って脱ドレミを果たしました。


邦楽調(唄用)へ乗り換えた一番の理由は、指穴の配置が身体に負担をかけない作りになっていたこと。ドレミ笛を吹いていて指、手首、肩が慢性的に痛いと感じていたので、邦楽調(唄用)篠笛を構えた瞬間、まずその痛みから解放されたと思いました。


上が古典調、下の三管が邦楽調
歯並び(指孔並び)が良いですね
指孔並びが均一に近くて美しいことを私は
個人的に「歯並びが良い」と表現してます


二番目の理由は、その時に出会った「京師」の八本調子(上写真の管頭に数字がないもの)が本当に本当に美しくて、可愛くて、この笛を「愛でたい」と感じたからでした。これまで、ドレミ笛を見た時に、その笛の造形が美しいと感じたことは全く無かったのですが、この唄用の八本調子笛はこれまで見たどの笛よりも美しいと一目見て思いました。すっかり魅了されてしまい、手放せなくなってしまったのです。未だに世界一美人な篠笛と思っています。


彼女を褒め称えた記事↓↓↓


もちろん、日本十二律で作られていることも乗り換えた理由の大きな一つです。


と、いうか、

唄用の篠笛というのは本来は日本の音律に基づいて作られるのが然るべきであって、そうでない12平均律(ドレミ)で調律されている笛を「唄用」や「歌物」などと称して流通させている今の篠笛業界が普通ではない

ということを今一度書いておきます。


西洋楽器と一緒に演奏するため、西洋の音律を用いた音曲 (洋楽に限らずアニソン、J-POP等もこれに入る)を演奏するために、12平均律で調律して作られた笛であるなら、

「唄用」「歌物」など、和っぽい、伝統を感じさせるような名前をつけて販売することは消費者を混乱させるのでやめて頂きたい。



いや、そもそもね、唄用の篠笛って三味線音楽(歌舞伎音楽)の世界で考案・作成され、後にそれが「唄用篠笛」と呼ばれるようになった
(出典:http://shinobue.blog.jp/archives/14457490.html )んですから、ドレミの笛がその名称を乗っ取るようなことしたらダメでしょう・・・
篠笛業界のビジネスモラルってどうなっているのでしょう。


うーん...何らかの悪意が働いて現状こうなっているというよりは、ただただ「知らなかった」、「認識が曖昧」なままここまで来た、というところなのでしょうか。でも、ものを作って売っている限り「知らなかった」は通用しないと思います。

ボヤきモードに入ってしまいそうなのでこの辺にしときます。ひゃー(汗)

この件でボヤいている記事↓↓↓


唄用篠笛・ドレミ笛問題 一般消費者から言いたいこと

「京師」を選んだ理由の大きな一つが、日本の音律で作られている、ということに変わりないのですが、考えてみたら「日本の音律で作られているから○○の篠笛を選びました」ってなんかおかしな言い回しですよね。


日本の音律じゃなくて、どこの音律に沿って作るんですか?


篠笛ってどこの国の民族楽器なんですか?


って、ツッコミ所がいっぱいあります。


自分で書いてて違和感ありまくりでした(笑)
日本の民族楽器である篠笛が日本の音律で作られている、これがスタンダートとなる日が戻って来て欲しいです。



さて、「京師」以外に私が持っている篠笛もご紹介します。



獅子田 竹渓 古典調(囃子用)六本調子
朗童     古典調(囃子用)六本調子
雲雀     邦楽調(唄用)   八本調子



「獅子田」は「京師」の古典に慣れてきてからはめっきり使わなくなりましたが、「獅子田」の軽やかな指打ち音は大好きです。

「朗童」は水口囃子を吹く時に使っています。ちょっと吹きこなすのに苦戦中。

「雲雀」は以前ブログでご紹介しましたよね。↓↓↓

「邦楽調 雲雀」を吹いてみた  篠笛レビュー
https://shinobuesingapore.blogspot.com/2019/01/blog-post_7.html



皆さんは、どんな笛を吹いていらっしゃいますか?(^^)



以上、私の篠笛でした。

2019/02/28

英語版ブログ始めました


こんにちは。

ただでさえ遅筆なのに、無謀にも英語版ブログを開設してしまいました。

↓↓↓

Diary of a Shinobue lover
https://shinobuediary.blogspot.com/


こちらのブログ同様、篠笛についてのブログになります。


関西人のノリと体当たりサバイバル英語でなんとか凌いできたのに英語で文章なんか書けるのかしら。


なんか、勢いで作ってしまって
完全に「ええいままよ」状態です(笑)


これも修行と思って頑張ります。


まだ、始めたばかりで記事の数は少ないのですが、拙い英語を読む耐性がある優しいお友達がいらっしゃいましたらブログのことをお伝えいただけますと嬉しいです。


よろしくお願いいたします。




〈その後、ゆっくりずつですが更新してます!〉
英語版ブログの記事をアップしました

2019/02/27

念願の日本での演奏

久しぶりに公の場で演奏することになりました。


しかも、場所は日本!


京都の雲龍院というお寺です!



なんて荘厳なお寺でしょう。



私はシンガポールに来てから篠笛を始めたので、篠笛に似つかわしい神社やお寺での篠笛演奏は生まれて初めてなんです。というか、日本での演奏が初めてなんです。


昨日、ご案内のメールが来てからわくわくドキドキが止まりません。


今回はこの為だけに一時帰国します。もうチケットも取り、京都駅近くのホテルも予約して準備万端です。


あとは、練習あるのみ。


あれ、何の曲を吹くんやったかな?(コラ



色々と詳細についてはまた改めて投稿しますね。




雲龍院はもちろんですけど、日本のお寺の写真を一枚も持っていないので、去年行ってきた光明山普覚禅寺(シンガポール)の千手観音像などの写真を貼っていきます。↓↓↓

シンガポールの光明山普覚禅寺
千手千眼観自在菩薩像
このお寺は島内でも類を見ないパワースポットです

独特の色遣い

修行中の小僧さんたち
かわいい


2019/02/18

シンガポールの篠笛練習会

先週の土曜日は、月に一度の篠笛練習会でした。


シンガポール人メンバー中心の練習会で、私は3年半以上この練習会の進行役を務めております。


私含めてほとんどのメンバーがゼロから篠笛を始めた人たちです。
毎月和気あいあいと、でも真剣に練習に取り組んでいます。



ちょっとみんなの自慢をさせてください。


みんな、とても「いい音」を出すんです。


スッカスカの音とか出さないですよ。


万一出てしまったら、

「今のは"airy"(スッカスカ)だったからもう一度」と言って吹きなおします。


人の音、自分の音を聴いて、どんな音が篠笛の音として良いのかをそれぞれが分かっています。


メンバーの誰かが、いい音を出した時、「今の音、すごくいい!」ってみんなで反応します。


篠笛のキレイな音を聴くのが好き、そして自分もキレイな音を出そうと努力する人たちです。


全員太鼓もやっていて、太鼓の練習でスタジオに来た時によく屋上で篠笛の個人練習をしています。


努力家さんたちなんです。


実は現在残っているメンバーは私も含めて、器用に何でもソツなくこなすタイプではなく、1つのことが出来るようになるのに非常に時間がかかる人たち。


今みたいにいい音が出せるようになるのにかなり年数がかかっています。


でも、不器用だからこそ、篠笛を始めた時に真っ先に派手な運指の曲には飛びつかず(飛びつけず)、基本中の基本となる「音」の質を高めていくところから始めることが出来たんだと思います。


月例練習会の内容は基礎練習中心でとても地味。
試行錯誤していくうちにそうなって行きました。
もちろん曲練習もしますけど、曲を次から次へとたくさん練習したい人からしたら、つまんなかったかも知れないですね。
今残ってるメンバーは根気あります。



シンガポールで篠笛を頑張るメンバーたち
これは今月ではなくて数ヶ月前の集合写真


今月の練習会ではメンバーからたくさんの質問を受けました。
お囃子の指打ちが難しいという話にもなりました。


(私は指導者ではないので、上がった質問の全てに答えることは出来ませんが、自分の知りうる限りの範囲内で、実際に自分が実践してみて出来るようになったこと、理にかなっていると思ったこと等に関しては、情報の「シェア」という形でメンバーに伝えるようにはしています。)


ここ数年でメンバーの嗜好にもだいぶ変化が見られ、お囃子を吹いてみたい人たちが増えています。


それは私もそうです。実際に日本の祭でお囃子を吹いたことはありませんが、私も年々お囃子、お囃子らしい篠笛の音を出したいという気持ちが高まっています。


篠笛がもともとどういう場面で吹かれてきた楽器なのか、どういった曲で篠笛が持つ音の美しさ、華やかさ、軽やかさ、清らかさが発揮されるのかを考えると、お囃子、お囃子らしい音曲を吹くのが自然の流れなんじゃないかと。


これは私の個人的な気持ちで、メンバーがどこまで考えてお囃子を吹きたいと思っているかは定かではありません。


ただ、彼らが祭囃子で流れる篠笛の音に「日本らしさ」を感じているのは間違いなく、祭が何であるのかという理解は充分に及ばずとも、お囃子を自分も吹くことでその「日本らしさ」に触れてみたい、日本と繋がっていたいという気持ちを持っていることは分かります。


篠笛で「千本桜」(古い?)を吹きたいと言われたらズッコケますけど、お囃子を吹きたいと言っている彼らの篠笛に対する姿勢はすごくまともだと思います。



さて話を元に戻すと、シンガポールで篠笛を頑張るメンバーたちは、個人差はあれど今こんな状態です。



音はきれいに出るようになってきた。


でも曲吹きになった時、それぞれのきれいな音が繋がっていかない。


特に自分たちのやりたいお囃子の曲になると指がついていかない。


どうしたらいい?



ん~、いっぱいクリアしていかないといけない課題がありますね。



メンバーから篠笛に関する質問や議論が上がってくるのは嬉しい反面、それは私達の練習内容のレベルも一段階上がる時期に来ているということなので、練習会を仕切る側としてはさらなる勉強と練習が必要となります。


指打ち、指回しだけでなく、息遣い、姿勢、構え方といったことにも練習会で触れていかなければならないでしょう。



私個人にとってもこれらは喫緊の課題です。


まずは自分がきちんとクリアしていかなくては、練習会のメンバーに何も還元出来ませんからね。


今月の練習会は、メンバーの成長が感じられただけに、次の課題も明確に見えてきて、ちょっと今まで以上に気合い入れていかないとダメだなと気持ちが引き締まりました。




ちなみに今回、メンバーが主に使ったのはこちら↓の笛です。

このプラ管、プラ管なのに下手な竹管よりずっと鳴るんです。

こちらについてはまた書きますね。


練習会メンバーに大好評の唄用プラスチック製篠笛



プラスチック製篠笛
「篠音-しののね-」唄用7本調子
1700円(税別)なのにめちゃくちゃ鳴る


以上、シンガポールの篠笛練習会についてでした。

2019/02/08

旧正月を祝う国で暦について一瞬だけ考える

Chinese New Year(旧正月)も明けて、ぼちぼち通常運転に戻りつつあるシンガポール。
とはいえ、多くの中華人は今週末いっぱいまで正月モードです。
仕事のメールを送っても当然返信はナシ。



旧正月を祝う国に来て8年目にもなりますと、新月の時に正月が来る旧暦の方が心身ともにしっくり来ます。


そういえば、日本(一部地域を除いて)は旧暦で正月を祝わないんだなぁ、と
今更ながら考えたり。



いつ新暦を採用したんだっけ。明治だよね?なんでだろう?なんて疑問に思って
ググってみたら面白いサイトを見つけました。


暦と天文の雑学


旧暦 明治5年12月2日で終了 → 翌日より新暦スタート 明治6年1月1日


さ、師走始まった!と思ったら正月ですか(笑)


色々すごい、明治政府(笑)


この記事にもあるように、なりふり構ってられなかったんでしょうねぇ。


完全に改暦しなくても、旧暦と新暦の併用でも良かったと思いますけどね。


そうしたら、祭の土・日開催問題とか起きなかったのかも知れません。




たらればの話をしてもしゃーない、しゃーない。


さ、アンパオ用意しよ~



紅包(アンパオ)
旧正月前はお店でお買い物をすると このような
祝儀袋をおまけしてもらえます



2019/02/04

2222



おおさか 06ーーー584の 2222ーーー

にっほーーーーん ぶんか せん たーーーー



って歌を覚えてますか?


日本文化センターのテレビコマーシャルの最後に流れてたアレです。


現在は電話番号は全国共通のフリーダイヤル 0120-00-2222 に変わったそうですね。

下4桁のにーにーにーにーは今も変わらず。
だって、日本文化センターですよ?
日本文化の中心。
国のえらい組織(文化庁あたり)がお布団売ってるの?とか、アホを極めている私は一人で想像していました。

考えたらものすごい大風呂敷を広げた社名ですよね。
強烈なインパクトがあるから戦略としては間違っていないです。


ところで日本文化って何なんでしょう。
篠笛ももちろん日本文化に含まれています。

篠笛について話をして、その結果が日本文化のある側面、ある部分の説明になっている、という形でOKなら成立するとは思いますが・・・それにしたって胃液が上がってくるくらい責任重大に感じてしまいます。
日本人なんですけど(日本人だから?)、とても重く受け止めてしまうのです。
日本文化センターのコマーシャルを思い出して、そんなことを考えました。

私は4位の「骨盤姿勢ケア座椅子」がいいなァ。


おわり。



子供の頃、このCMを見るたびに「日本文化センター」ってすごい組織なんだろうなって思ってました。





気がついたら受話器握ってます。1975年創業以来続いている日本文化センターはすごいです。

範囲が広すぎて一言では到底語れない。


篠笛のことは多少は話せても(篠笛の「し」くらいは)、日本文化について話してくださいって言われたら、
いやいやいやいや無理です、と私はなります。



ちなみに日本文化センターのホームページを覗いてみたら、
ヒット商品 第1位は「高枝切り電動チェーンソー」だそうです。

あの伝説の愛犬ロボ「てつ」は、日本直販でした。

2019/01/27

みんな実は悩んでいる???

昔書いた「篠笛の持ち方を変えたい」って記事を最近読んでくださっている人がぽつぽついらっしゃるみたいです。

持ち方を変えるのが大変ですってつぶやいているだけのうっすい内容で申し訳ないんですけど・・・有益な情報とか書いてなくてすみません。


こんなマイナーなブログの記事まで読まれているということは、篠笛の持ち方で悩まれて情報を探している方が実は結構いらっしゃるということなのでしょうか。


私はまだまだ修行の身ですから、奏法や持ち方に関しての具体的な発言は敢えてしないようにしています。それは指導者と呼ばれる方たちの領域かと。


指にも体にも負担をかけず、指打ちが軽やかにできて音もきれいに鳴る持ち方、というのは確かにあります。ただ、そういう情報はネットやYoutubeですぐ目につくところには上がってきてないように思えます。(私見です)


明言は避けたいところですが、もし持ち方で悩まれているのなら、一度ご自身の指や体に今の持ち方でしんどくないか聞いてみてください。
指がつりそうとか、肩や首に痛みなどを感じられているのなら、どうやったら体に負担をかけない持ち方になるかという視点で持ち方を探ってみられてはいかがでしょうか。


あまり参考にならなくてすみません。


修行中の小僧さん
シンガポールのあるお寺にて

2019/01/26

ブログ内に新しいページを作りました

ブログ内に新しいページを作りました。


ひとこと読書感想文
https://shinobuesingapore.blogspot.com/p/blog-page.html


読んだ本の感想を短く書いていきます。



篠笛とは全然関係ない本も紹介していきます。


不定期で更新しますので、たまに覗いてみてください。




2019/01/25

篠笛の掲示板サイト

篠笛愛好家さんに情報シェアしておきます。

篠笛について情報交換ができる掲示板が出来ましたよ~
篠笛フォーラム(掲示板)


https://shinobue2.wixsite.com/shinobue/forum



玲月流の門下生中心の掲示板ですが、外部の方も書き込みOKです。
(投稿・コメントに関するガイドラインを読んでくださいね)


多分、日本一 篠笛について真面目に議論している掲示板です!




普通にネット検索していたらなかなかたどり着けないような有益な情報がたくさん得られる場です。



読み専に徹しても良いですし、みなさんの投稿を読まれて何か思われることがあればもちろん書き込んでいただいてオッケーです。
実際に外部の方も書き込まれています。




海外で篠笛を吹いている方は生の情報が日本から入ってこなくて苦労されていると思います。
分からないなりにやってるけど、ふいに現地の人から篠笛について鋭い質問をされて、ぎく!ってなったりしませんか?
たまにこちらを覗かれて情報をアップデートしてみるのもいいかも知れませんよー


ほなぁ~。



サムネ用の写真がないので既出の
美人な篠笛 京師(みやこ)ちゃん
余談ですが、この方を愛でた記事がうちのブログで
2番目に読まれているらしいです
みんな「美人」って言葉に弱い?!





〈英語版ウィ◯上の「Shinobue」の記述がヤバイ話〉
某インターネット百科事典

2018/04/24

2018年1月~4月を振り返って

【2018年1月~4月 笛関連で始めたこと・体験したこと】

太鼓と練習する機会を増やす

2018年に入ってから「月5回は響屋(所属している太鼓団体)に行って太鼓メンバーと練習する」ことを自分に課してこれまで継続しています。

初級~上級まで様々なレベルの太鼓クラスメンバーと一緒に練習することは笛吹きとして大変勉強になります。拍ではなく、息で合わせて太鼓と笛の音がうまく重なった時が一番気持ち良い瞬間です。


目覚め一番 指の運動

朝、起床した時に必ず両手の指をほぐすストレッチ運動をしています。
これは以前からやっていますが、今年に入ってからはお囃子を吹くことを前提により滑らかに指がまわるよう意識して実行しています。
指ストレッチは、月イチの練習会でもやり方を教えています。意外と効果あり。


水口囃舎さんによる水口囃子ワークショップ

4月7日・8日 滋賀県からお越しになった水口囃舎さんによる「水口囃子ワークショップ」(響屋主催)に参加しました。(響屋主催)

水口曳山祭、祭りを行う理由、水口神社、曳山、水口囃子の歴史、現在まで伝承されている曲(東西含めて)について等 我々が曲を習う以前にまず知っておかなければならない、祭りの核となる部分のお話を、現地のお祭りで実際にお囃子を奏されている代表の野村さん他 水口囃舎のメンバーの方たちから聞くことが出来て本当に良かったです。曲は「屋台」を習いました。

地元の皆さんが大切にされているオリジナルの形を決して崩さず、シンガポールのメンバーと時間をかけて練習していきたいです。

4/20の水口曳山祭 お疲れ様でした!!


未来のスターとお稽古

今月に入ってからお囃子大好きな5歳児さん(シンガポール人)と時間が合う時に笛の練習をしています。太鼓も笛も素質ありまくり、生まれながらのパフォーマーな彼(イケメン)。
最近買った7本調子の唄用プラ管を持って、「練習しようぜ」って駆け寄ってくるのがたまらん♡
そのうちグングン追い越していってシンガポール人初の篠笛スター奏者になりそうです。



SNSやってないので(アカウントはある)、なかなか日々やっていることをマメにシェアすることがなく、そうこうしているうちに何をやったか本当に忘れてしまいそうなので、振り返ってみました!




〈追記:その後、太鼓の練習も始めました〉 太鼓と私 -「あの感覚」

2018/04/05

海外の篠笛愛好家さんたち

年始の挨拶投稿から昨日の更新(4/4)まで放置状態だった当ブログ。


相変わらずゆっくり更新ですが なんとかやめずに継続しています。


その理由の一つが、最近シンガポール・日本以外からの閲覧者数がぼちぼち増えてきていること。


「ある篠笛好きのつぶやき-北緯一度から-」
ブログ閲覧者数の多い国ランキング

 1 シンガポール
 2 日本
 3 アメリカ合衆国
 4 フランス
 5 ウクライナ
 6 ロシア
 7 ニュージーランド
 8 マレーシア
 9 スペイン
10 オーストラリア


うちのブログは、自慢じゃないですが「篠笛」「海外」等のキーワード検索で探さない限り辿り着けないくらい超マイナーなブログです。周囲にもブログをやってることを言ったことありません(笑)
南国の小さな島の片隅で細々と続けているブログを見つけてくださった方は、相当篠笛が好きな方なのではないかと推察。

実際、年始にブログを読んでくださったフランスの篠笛愛好者の方からご連絡もいただきました。とても嬉しかったです。

実はあのご連絡を頂く前までは、海外からの閲覧者は全部ハッカーだと思っていたんです(笑)

「ウクライナやロシアに篠笛好きがいてはるわけないし、こんなブログ読んでるわけがない。ハッカーや!」
ハッカーが何なのかもよくワカラナイ IT音痴ですが、そう思っていました。


でも今は 「海外にも私と同じように篠笛が好きな人たちがいらっしゃるんだ」と前向きにとらえています。


指導者がいない、一緒に練習・演奏できる相手がいない、篠笛の購入・修理に時間と金銭的コストが余計にかかる、情報が不足している等々、海外で篠笛をされている方たちの悩みは尽きないと思います。それでも篠笛が好きで、何とか続けていらっしゃるのであろう皆さんのことを考えると、「自分も頑張らないとな」と踏ん張る気持ちが湧いてきます。


と、いうわけで続けていきます。



以前軽いノリで描いたのですが案外気にいっている
「たけくん」


P.S.  各国からの「ハッカーじゃないよ」連絡もお待ちしております(笑)



〈フランスの篠笛愛好者さんからメッセージをいただきました!〉
嬉しいこと

2018/01/24

嬉しいこと

新しい年を迎えましたね。

ここ数年、慌ただしく常に何かに追い立てられているような心理状態で過ごしてきましたが、2018年からは穏やかな気持ちで色々なことに取り組んでいけるような気がします。
仕事、篠笛、プライベート共に、周囲にいてくださる人たちを大切に、身の丈にあったことからコツコツと頑張っていこうと思います。


年明けから嬉しいことが一つ。
このブログを読んで下さった海外在住の日本人の方からメッセージをいただきました。
その方も篠笛をされていて、お住いの国で篠笛仲間を増やそうと頑張っていらっしゃるとのこと。国は違えど日本を離れた外国に同志がいらっしゃることを知りとても嬉しく、また励みになりました。


ブログを続けてきて良かったです。
スローペースの更新になりますが、これからも宜しくお願いします。

響屋が入っているビルの屋上
夕方ここで篠笛の練習をするととても気持ち良いです
向かいのオフィスで働く人たちと近隣のコンドの住民に向けて
ガンガン吹いてます(苦情は今のところ来ていません)



〈追記の記事〉
海外の篠笛愛好家さんたち

2017/12/21

師走

2017年も残すところあと10日となりました。


仕事が忙しく夏以降ブログを全く更新していませんでした。

7月から9月にかけては月1ペースでイベント、コンサート等で
演奏させていただく機会がありましたが、秋に入りすっかり
お仕事モードに入り、ここのところ演奏活動は控えております。

篠笛に全く関わっていないか、と言えば決してそうではなく、
響屋で毎月行われている篠笛の会では楽しくメンバーと練習に励んでいますし、
以前、ブログで紹介しました「日本の音・篠笛事始め」のレビューを書かせて頂いたり、シンガポールで良い形で篠笛を広めていく土台作りを地道に進めていたり、
忙しい中でもなんだかんだ篠笛がついてまわる日々を送っております。



来年からどのように演奏活動をしていくかは未定ですが、
仕事やプライベートとのバランスをうまく取りながら無理のない
範囲で吹かせて頂けたらと考えています。




ウィルス性髄膜炎、母親の急逝と苦難が多い2017年でしたが、辛いことがある度に皆さまに助けていただき、なんとかこうして年を越すことが出来そうです。
泣き暮らしていた私に笑顔をたくさんくださったこと、本当に
感謝しています。ありがとうございました。

来年は皆さまへの恩返しの年にしたいと思います。

今後ともよろしくお願いします。
どうか良いお年を!