ひとこと読書感想文





今まで読んだ本にひとことだけ感想を述べるページ


篠笛とは関係ない本についても普通に書きます。



『日本音楽ことはじめ』 著者:山田隆 発行元:有限会社 日音 発行:2011年3月




シンガポールで一番使われているプラスチック製唄用7本調子篠笛を製作された笛師の山田藍山さんがお書きになった本。息で音楽を処理する日本音楽と拍で処理する西洋音楽の違いの記述は、篠笛を始めて2年目だった私にはまさに目からウロコ。日本音楽には西洋音楽の常識やルールでは説明のつかないことが多くあること、西洋音楽の常識を日本音楽に持ち込まないこと等、その後和楽器で合奏していく上でのよい戒めになった本です。和楽器を嗜む者は必読。







『世界史年表・地図(2018年版)』亀井高孝他 発行元:㈱吉川弘文館 発行:2018年4月

高校時代の愛読書をAmazonで取り寄せました笑 カスチラ王国とかヴァチカノとか独特の表記の仕方をしているのがツボ。当時、なんか古臭いなと思っていたフォントも今見ると逆に斬新で目に入ってくる。ありがちなフォントだと沈んで見えて頭に入らないかも。世界史選択の文系受験生には必須アイテム。






『Traditional Japanese Music and Musical Instruments』

著者: William Malm 発行元:講談社インターナショナル㈱ 
発行:2000年11月(改訂版)

アメリカの音楽学者 William Malm氏による日本伝統音楽について書かれた本。初版発行は1959年。なかなか手に入らなくてドイツの古本屋さんから取り寄せました。日本の伝統音楽用語を英語で表現する時にネイティブはどのような英語を使うのか非常に参考になります。例えば、口唱歌を "onomatopoeic mnemonics" (直訳すると〈楽器の音を真似た〉擬音的覚え歌)と表現しています。面白いでしょう?篠笛の記述が少ないのは残念。これはこの本に限ったことではありません。







『クラシック音楽全史』著者:松田亜有子 発行元:ダイヤモンド社 発行:2018年10月

西洋音楽に関する知識がゼロなのでどんなもんかなと思って読んでみました。基本的な用語は学べるものの、もっと知りたいなと思ったら次の話に移ってしまい、本当にざっくりしか情報が得られない本です。音律については、ピタゴラス音律とグレゴリオ聖歌にちょっと触れただけ。でも、有名どころの音楽家に関するエピソードは楽しく読めました。終章では、「日本における西洋音楽とオーケストラの発展」というタイトルで、明治維新以降、五線譜を知らない日本国民た
ちにドレミを覚えさせることに先人たちがいかに尽力したかが書かれてあります。途中で本を閉じそうになりました笑




『やさしく、つよく、おもしろく。』著者:ながしまひろみ 発行元:㈱ほぼ日 発行:2018年2月

さらっと読める漫画です。子どもの頃って、平穏な日常生活の中にふと「闇」を見つけてしまうことってありませんか。沈んでいく夕陽、眠れない夜、向こうの部屋から聞こえてくる親たちの低い声。はっきりした言葉で表現できないけれど、子どもなりによのなかに対して漠然とした恐怖、何かがいつか終わってしまうんじゃないかという不安や寂しさを感じている。でも、それを親に悟られると心配するんじゃないかと思って、わざと何も知らない明るくあどけない子どもを親の前で演じてみたり。これは私の話で、主人公のゆきちゃんと私が同じという訳ではありませんが、彼女を通してあの頃のそんな自分を思い出します。 読む人それぞれのあの頃の自分に再会できる一冊です。




『落語と私』 著者:桂米朝 発行者:文春文庫 発行:1986年3月

言わずもがな落語家 3代目桂米朝さんが書かれた本です。序盤で、落語・講談・漫談(一人で演じる話芸)の違いの説明がされており、その中でも落語というのは世界に類を見ない独特の芸だということが書かれてあります。そう言えば私、あまりに小さい頃から落語を聞きすぎて、日常会話でも普通に上下を切る(複数の人の会話の内容を伝える時に、右・左を向いてキャラクターを演じ分けて話す)癖がありまして(笑)ある時、英語圏の方に「君は面白い話し方をするね」と言われたことがあります。その時は何が面白いのかよくわかりませんでしたが、この本を読んだらナルホド、確かに独特の話芸なのかも知れません。しかしまあ、お話の上手い人は文章を書くのも上手ですね。米朝師匠のお書きになる文章はまるで落語の枕を聞いているようで、するすると頭に入ってきます。






『日本の祭』 著者:柳田 國男 発行者:角川学芸出版 発行:2013年1月(新版)

本書は民俗学者 柳田 國男が太平洋戦争勃発前の1941年に東京帝国大学の教養特殊講義で学生に向けて行った「日本の祭」についての講演が元となっています。森田玲先生の『日本の祭と神賑』を先に読んでいたので、本書の中で登場する多数の普段聞き慣れない用語(ex. 直会(なおらい)、潔斎(けっさい)など)への拒否反応もなくスラスラ読めました。興味深かったのが、神道と仏教で「精進」の内容に明らかな違いがあるということです。例えば仏教では動物質の食物を口にするのを嫌いますが、神道の精進で忌んだのは獣の宍と血のみだった、また、神道では物を洗いすすぐ水の力を重んじる一方、仏教では香を重んじ、洗う代わりに薫りで紛らそうとする、など。当時(昭和16年)の日本人でさえも神道と仏教の「精進」を混同している人が多かったようです。私は恥ずかしながら「精進」は仏教用語と勘違いしておりました。日本で古くから行われてきた運動競技(流鏑馬、綱引き、相撲など)のほとんどその全部が祭の日の催しに始まっているという話も面白く、信仰行事の一環だったと考えるとこれらの競技の見方も少し変わってくるような気がしました。『遠野物語』も読んでみたいです。






『カラー版 百人一首』 著者:谷 知子 発行者:角川学芸出版 発行:2013年11月

「令和」の影響も多少なりともありますが、10年ぶりに自分の中で和歌ブームが再来したので購入。若い頃は、恋の歌を読んではいちいち歌人の心情に共感したものですが、年を重ねた今は、自然の情景を詠んだ歌にも心が動かされます。「三十六番 夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを 雲のいづこに月宿るらむ ―清原深養父」などは、歌人の感性の鋭さと表現の豊かさ思わず嫉妬してしまいます。「七番 天の原ふりさけ見れば春日なる 三笠の山に出でし月かも ―安倍仲麿」を読んでちょっとホロっとしてしまったのは、日本を離れた生活が長い故なのでしょうか。尾形光琳が描いた200点の歌留多絵をオールカラーで掲載している割にお値段が控えめなオススメの本です。



おしまい

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