2016/09/30

やっぱり日本の音楽

昨夜はOrchardの高島屋で演奏がありました。


響屋(私が所属しているシンガポールの太鼓グループ)から太鼓二人、三味線二人、篠笛一人の少人数編成でのパフォーマンス。

一曲目、三味線と太鼓の曲でカッコよく盛り上げた後は、「花笠音頭」、「さくら」、「ソーラン節」と民謡と古謡を演奏。

短い時間でしたが演奏が終わった後、私達の目の前で演奏を聴いていらしたお二人のご婦人に、「とても良かった」と声をかけて頂きました。

なんとこのご婦人達、山形から旅行でシンガポールにお越しになったそうで、私達が山形民謡の「花笠音頭」を演奏しているのが嬉しかったそうです。

その後の「さくら」も「ソーラン節」も目をキラキラさせながら一緒に歌ってくださっていて、こちらも演奏に熱がこもりました。


海外で演奏しているとどうしてもアニメソングや西洋よりの曲の方が受け入れられやすいんですけど、伝統楽器やってる限りやはり日本古来から伝わる民謡、古謡、わらべ歌を演奏してお客様に喜んで頂きたいと常々思っています。

ですので、例え日本人の方であっても日本の音楽をお届けしてお客様からいいフィードバックを頂けると本当にやってて良かったと思うし、励みになります。



明日、明後日はEsplanade Outdoor Theatreで演奏があります。

ドラムイベントですが、篠笛も参加させてもらえることに。(三味線もね)


転換の時に吹く曲、思い切ってわらべ歌にしちゃおうかな。




2016/09/29

美人な篠笛

私が所有する唄用八本調子笛は、持ち主に似合わず相当な「美人」であります。

今日はうちで最も美人な篠笛を紹介させて頂きます。


名前は京師(みやこ)さんと言い、京都ご出身です。

蒔絵などの派手なお化粧はされず、ナチュラルメイク派。なめらかなすべすべお肌はつい触れたくなってしまいます。

歯並び(指孔並び)が良く、いつも凛としてらして品の良さが醸し出されています。

お声は澄み渡る水のように清らかです。
時には少女のように可愛らしく、時にはしっとり艶やかな色気を漂わせ、そして時にはキリっとした鋭い印象を持たせるなど、表情豊かにお話になるのも特徴です。

性格は人見知りで頑固。そうやすやすと打ち解けてくださる人ではありません。

ですがひと度仲良くなると大変人懐こく、色々なことをお話してくださいます。

寂しがり屋でプライドも高いので、しばらく交流が途絶えると拗ねておしまいになって、口をきいてもらえません。

品のない事、いい加減な事も大嫌いです。姿勢を正して、全身全霊で接さなければなりません。


そんな京師さんと良いお友達になるべく、毎夜毎夜 私は彼女に語りかけているのですが、

多分彼女はまだ私のことを「知り合い」程度にしか思っていないのが現実です。

いつか両思いの仲になれるよう、アタックの日々です。


指孔の間隔がほぼ均一なので、指(特に右小指)に余計な負担をかけず  自然に手を添えるだけで孔を塞ぐことが出来ます。指孔の大きさも揃っていて見た目も美しい。
京師(みやこ)の唄用八本  指孔の間隔がほぼ均一なので、指(特に右小指)に余計な負担をかけず
自然に手を添えるだけで孔を塞ぐことが出来ます。指孔の大きさも揃っていて見た目も美しい。
美人な京師ちゃんの管頭部分のアップ
美人ちゃんの管頭部分。


〈こちらの記事もどうぞ〉

私の篠笛

2016/09/28

篠笛の勉強

篠笛愛好者にお薦めのブログがあります。



※上記ブログはリニューアルされ、下記にお引越しされました。↓↓↓
篠笛草子 〜 ほのかに聞こゆるもいとをかし 〜

書いてらっしゃるのは、篠笛奏者の玲月流 初代 森田 玲先生です。



森田 玲(もりた あきら、1976年2月3日 - )は、大阪府出身の篠笛奏者。


大阪府立岸和田高等学校卒業。京都大学農学部中退。後、再入学を果たし2012年に卒業。京都大学農学研究科(大学院)に進学。篠笛の演奏・指導・製作・調査研究を行う株式会社「篠笛文化研究社」<旧「民の謡」(たみのうた)>代表取締役。篠笛民俗文化研究会会長。生き物文化誌学会、社叢学会。平成24年・第67回文化庁芸術祭大衆芸能部門・新人賞受賞。平成26年度・京都市芸術文化特別奨励者・認定。平成25年「玲月流(れいげつりゅう)-篠笛」を立ち上げる。


森田先生は篠笛奏者・指導者としてだけではなく、篠笛の研究者としても私が大変尊敬している方で、篠笛と、その出自である祭(神事・神賑行事)についての造詣の深さで右に出るものはいないと思います。
海外で篠笛を始めたが故にすっぽり抜けている篠笛や祭に関する知識を森田先生のブログと著書 からかなり補っています。


内容は結構難しいので、サラッと読み流す感じのブログではなく、じっくりと読み込んでいく必要があると思います。それだけ情報量が豊富なんです。

本当に古来から伝わる日本音楽を篠笛で表現したいと思っている人、自分の音色に「何か足りない」と感じている人、祭のことも良く理解した上でお囃子を吹きたい人、民俗学が好きな人、「和風」って言葉が嫌いな人(笑)、本物志向な人には是非読んでもらいたいです。



その中でもお薦めの記事はこちらです。

どの笛を選ぶ?日本の篠笛と、その亜流・・・
(旧ブログから)

唄用(邦楽調)篠笛とドレミの笛の違いについて(改)
(現在のブログから)

初めて先生にお会いした時に、記事の内容を説明いただき、唄用篠笛ドレミ笛の違いについて教わりました。
そこで、自分が唄用と思って吹いていた笛がドレミ笛だったと言うことも知りました。
ショックでしたが、篠笛のことをちゃんと勉強しようと思う大きな転機となり、その後 私の篠笛との向き合い方、音の出し方は大きく変わりました。



海外に住んでいる事と、今自分が置かれている環境下では現実的にすぐには叶えられないことも多くあるのですが、「自分が篠笛で本当に吹きたいものはこれなんだ!」という核の部分を見失わないよう導いてくれるブログでもあります。


長年の篠笛と祭の研究に基づいた正確な情報を惜しげもなく無料で公開されています。
篠笛に関するよくある質問と運指表や音律等ついての詳細な資料が全てここにまとめられています。→ http://shinobue.blog.jp/archives/cat_302136.html

ご自身が持たれている篠笛という和楽器のことをもっとお知りになりたい方はご覧になってください。



〈追記〉
森田玲先生が篠笛の教本を出されました。

ついに出た! 篠笛の専門書 篠笛の勉強
教本のダイジェスト版+追加情報満載の篠笛「虎の巻」紹介記事
篠笛「虎の巻」が公開されました 篠笛の勉強

2016/09/23

落語とやっと繋がったこと

人には何かしら熱狂するものが存在するのではないかと思います。
好きなロックバンドのライブ、応援しているサッカーチームの試合、地元の祭での神輿担ぎ...その事を考えるだけで胸が高鳴り、上気してしまうものは人それぞれにありますね。
私にとってのそれは落語です。
(篠笛は「熱狂」ではなく、もっと穏やかなものです)


落研出身の父親の影響でずいぶん小さな頃から落語を聴いて育ちました。
幼稚園児の時から夜は「枝雀十八番」をゲラゲラ笑いながら一席聴いて、二席目の途中で寝入るのが常でした。

古典の上方落語ばかり聴いていましたから、当然昔の上方言葉がたくさん出て来ます。またカセットテープで聴いていたので、言葉の情報だけで今どういうシーンなのか頭の中で思い浮かべながら噺を理解して楽しんでいました。

「かんてき」という上方言葉がよく話の中に登場し、これは七輪のことを指すのですが、そんなこと幼稚園児が知るよしもなく、ただお茶を沸かすシーンでよく登場するのでその時に必要な「何か」なんだろうなぁと、頭の中で想像する時はそこだけ曖昧に処理されて映し出されるのでした。なんともお粗末なんですが、そういう細部がいい加減であっても落語は子どもの私でも十分「おもろい」と素直に感じることができるエンターテインメントだったのです。


上方落語の面白いのは、噺の中でハメモノ(お囃子や鳴り物)が入るところです。
例えば「愛宕山」の導入部分、(長いので冒頭部分は省略) 旦那が舞妓、太鼓持ちを引き連れて野掛け(ピクニック)に行く道すがらの情景を伝えるところ、


「遠山に霞がたなびぃてレンゲ・タンポポの花盛り。

麦が青々と伸びた中を菜種の花が彩っていろぉといぅ本陽気。

その中をやかましゅ~言ぅてやって来る、

その道中の陽ぉ気なこと」

  
と、噺家が言い終わると下座から「扇蝶」という曲がハメモノで入り、春のにぎやかな情景をBGMでよりはっきり思い浮かばせるというニクい演出が待っているわけです。


噺家の「陽気なこと」をきっかけに下座さんが絶妙のタイミングで入ってくるこの見事な連携プレーに一気にテンションが上がります。


話芸と音楽という異なるものがお互いのタイミングを見合い、絶妙の間を持って交わり合うことで観客の脳裏に噺の世界観、情景を鮮やかに映し出す。ハメモノが入る上方落語はなんといいますか、ジャズセッションを聴いているような高揚感を覚えるのです。

 


私は寄席の開演前の雰囲気が大好きで、特に二番太鼓に能管が入ってこちらのテンションがMAXになったところに、前座の出囃子が始まると感極まって泣く時があります。
これ、一昨年前に東京の新宿末廣亭の夜の部で思いっきりやってしまって、その時は鼻水まで出てしまって大変でした。隣のおじさんは「この姉ちゃんはあの前座と何かあったのか?」って思ったかも知れませんね(笑)


いいんですよ、落語は私にとってビートルズみたいなもんなんです。失神するほど熱狂してるんです。




さて、最近私がはまっていることは、上方落語寄席囃子をひたすら聴きまくることです。
Amazonで「上方落語寄席囃子集」というCDを購入し、通勤途中聴いています。
ハメモノだけではなく、出囃子や擬音囃子(例えば、雨の音や幽霊が出てくる時の効果音を太鼓で表現したもの)も収録されてあり、邦楽器に興味がある人には必見(もとい必聴)の内容です。
篠笛や能管もたくさん寄席囃子に使われていて、気に入った曲は耳コピして練習しています。


自分が好きで憧れていた落語の世界と今自分がやっている篠笛がやっと繋がり、落語にグッと近づいた気がして毎日ウキウキしています。



ハメモノだけではなく、出囃子や擬音囃子(例えば、雨の音や幽霊が出てくる時の効果音を太鼓で表現したもの)も収録されてあり、邦楽器に興味がある人には必見(もとい必聴)の内容です。
何回聴いても飽きない上方寄席囃子集