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2019/04/29

5分間だけドレミを忘れましょう

こんにちは。久しぶりに人前に出て色々やってきたので活動報告をします。

篠笛について英語でスピーチ


ここ1~2週間の間で、篠笛について英語でお話する機会が2回ありました。


いずれも5分間の中で篠笛のお話と演奏をする内容でして、聞き手は西洋音楽分野に関わっている、篠笛のことを全く知らない外国の方たちです。



篠笛に関する知識は数年前と比べたらかなり増えましたし、今の私は自分の意見・主張を明確に持っていますので皆さんにお伝えしたいことはてんこ盛りにあります。


ですが、聞き手が篠笛のことを全く知らない外国人である、英語で話さなければならない、時間の制約がある、アウェイ状態である(笑)、といった条件がありましたので、これまで得た膨大な知識・情報の大半を一旦削ぎ落として本当に伝えたいことだけを抽出してスピーチに臨む必要がありました。

考えてみてください、知らない楽器を持った日本人が突然現れて、さして流暢でもない英語でそのよく分からない楽器の難しい話を延々とし出したら。

話全然入ってきませんよね。
それにちょっと怖いです(笑)


と、いうわけで大事なところだけシンプルに、わかりやすく伝えて、皆さんに篠笛という楽器のことを覚えて帰ってもらうべく、次のテーマでお話してきました。


「5分間だけドレミを忘れましょう」



大まかな流れは以下です。

①篠笛の簡単な説明
             ↓
②音律の話 (日本十二律と西洋12平均律)
             ↓
③5分間だけドレミを忘れて日本の音に触れてください
             ↓
④演奏(がっつり日本の音曲)


英語での話術が未熟なので、まだまだ改善点はあるものの、話のテーマ自体の食いつきは意外にも良かったです。

②の音律の話は、うんうんと頷かれてる人も結構いらっしゃいました。
難しく話そうと思えばいくらでも難しく話せる題材ですから、初めてこういう話を聞く人にも分かりやすく伝えるために一番工夫した箇所ではありました。

音律の説明のあと、このような話をしました。(以下私が話した英語を日本語に翻訳したものです)

時々、ピッチにこだわる方々が親切にもこのようなご忠言をくださることがあるんです。
「君の笛のピッチは外れているね」   (会場 笑い声)
このご忠言は正しくもあり、同時に間違ってもいます。
彼らが西洋音律を基準にして私の篠笛のピッチについて話しているのなら、「外れている」と言えるのかも知れません。しかし、そもそも篠笛は日本の音律で調律された日本の楽器です。日本の音律を基準にした時、私の篠笛のピッチは「外れていない」のです。

西洋音楽に関わっている人たちの前でこんなことを話して総スカンを食らわないかしらと内心ヒヤヒヤしましたが、これを話した時の会場の反応が一番大きかったです。
「めっちゃわかる」と言いたげに大きく頷いている方がいらしたのが印象的でした。


短くシンプルながらもきちんと篠笛のこと、音律のことを伝えられたので、
③→④の流れはとてもスムーズでした。


人前で英語で話すことに緊張し過ぎて、逆にその後の演奏になるとホッとしたのか、両日ともキレイな音が出て、指も滑らかに動きました。
よし、これからは演奏前必ず英語で話をしよう(笑)


スピーチ・演奏終了後、「今日初めてあなたの楽器を知ったが音がとても良かった」と声をかけてくださった方がいらしてとても嬉しかったです。
お話だけではなく、篠笛の音色の良さもちゃんと伝わっていたようで安心(*˘︶˘*)

良い経験となりました。


以下、出演したイベントの写真。
1つ目のイベントは写真がないので、2つ目のイベントのみ。



最近、篠笛について英語でお話する機会がありました。篠笛を、「伝統」"tradition" / "traditional" という言葉を一言も用いずに説明できたことは私にとっては大きな自身につながる出来事でした。【ある篠笛好きのつぶやき-北緯一度から-】シンガポール在住の篠笛愛好者のブログです。A Shinobue, Japanese bamboo Flute lover in Singapore
とあるイベント会場のkult kafé
丘の上にございます
さて、何のイベントでスピーチ&演奏したのでしょう?






We Love Jazz SG 主催
「We Love Jazz SG celebrates International Jazz Day 2019」
にお邪魔しましたー
Jazzはもちろんやってません(笑)

出演者一覧のポスター
素敵なJazzパフォーマーの方たちがたくさん出演されていました
洋楽はやりませんが、洋楽を聴くのは好きです




ここからはちょっとだけ真面目なことを書きます。




「日本の伝統楽器です」って言っちゃうのは簡単。でも・・・


今回一つ自分を褒めてあげたいのは、篠笛を、「伝統」"tradition" / "traditional" という言葉を一言も用いずに説明できたことです。

「篠笛は日本の伝統楽器です」は強い印象を与える文句です。
海外でこれを言うと間違いなく注意を引けます。
と、同時にもうこれだけ言っちゃえばすべて説明した気になれてしまうという、落とし穴のような側面もある文句です。

事実、篠笛が日本の伝統楽器であるのは間違いありませんが、私は篠笛を吹いている限りは、篠笛のこと(歴史・特徴・音の鳴り方・音律・種類・吹かれている分野 等々)をきちんと説明できる人でありたいと常日頃から思っているので、安易に「伝統」という言葉に頼らないで篠笛のことを伝えるよう心がけています。

誤解のないように書いておきますが、私は別に「篠笛は日本の伝統楽器です」と言うことを批判しているわけではありません。「伝統」という言葉を使わなくても、篠笛を語れることはたくさんある、ということを申し上げたいだけです。

今回はオーディエンスの皆さんが積極的、好意的な姿勢でお話を聞いてくださったこともあり、篠笛の中身の説明だけで、結果として篠笛が長い歴史を持つ日本の伝統楽器であることを伝えることが出来ました。それは私にとっては大きな自信につながる出来事でありました。



【ある篠笛好きのつぶやき-北緯一度から-】シンガポール在住の篠笛愛好者のブログです。A Shinobue, Japanese bamboo Flute lover in Singapore
脈絡なく猫ちゃんの写真を貼ってみる(笑)
同じHDB(シンガポールの団地)に住む仲良しの猫ちゃんです

ドレミは日本の伝統?


篠笛が日本の伝統楽器であるのは間違いないと書いておいて矛盾してしまうのですが、実は最近「本当にそうなのか?」と感じ始めている自分がいます。

現在、ドレミ笛で演奏する奏者・愛好家さん達が9割以上を占めているそうです。
このような篠笛業界の現状を考えますと、篠笛を「日本の伝統楽器」と言って良いのか疑問を抱いてしまいます。

ドレミ笛奏者・愛好家の方たちは、西洋12平均律で調律された篠笛で洋楽系音楽(洋楽・J-POP・アニソン・童謡唱歌等)を演奏されています。私は、これらの行いの何れの点に於いても「日本の伝統」的要素が存在しているとは思えないのです。



「何を言うか、ドレミは既に日本の伝統である」と日本国民の8割以上からご指摘いただいたら「知りませんでした、すんません」といよいよ考えを改めるかも知れません。

あるいは、「いや、実はドレミは1000年前から日本にあって、ここに当時のドレミ笛が・・・」と、歴史的資料をご提示の上で衝撃的事実の解説をしてくださる方が万一いらしたら即日考えを改めます(笑)


アホなことばっかり言ってますが、まあよっっっっぽどのことがない限り、ドレミが日本の伝統であるとは到底思えないわけです。

でも現在、篠笛の主流はドレミ笛です。
だから篠笛を「日本の伝統楽器」と言うことに「うっ」と抵抗感を抱いてしまうのです。


「伝統」は責任が付きまとう重い言葉


このように、篠笛をとりまく現状とそれに対して私の中で解消されないモヤモヤがあるため、篠笛を説明する際、「伝統」という言葉を使うことにさらにブレーキがかかっています。

考えすぎなのでしょうか?

考えもなく、むやみやたらに使ってよい言葉とは思い難いのですが...
使う限りは責任が付きまとう重い言葉だと私は捉えています。


最後に、私のお気に入りの辞書『新明解国語辞典 第七版』(三省堂)より以下を抜粋してこの記事を終わります。

でんとう【伝統】
前代までの当事者がしてきた事を後継者が自覚と誇りとをもって受け継ぐところのもの。


以上、「5分間だけドレミを忘れましょう」でした。

2019/03/06

篠笛の練習【動画撮影して記録を残す】

職場が入っているビルの1階に朝8時から開いているスタジオがありまして、仕事前にそこへ寄って1時間くらい篠笛の練習をしてから出勤するようにしています。


朝一番から篠笛を吹いて深い呼吸を繰り返すことで、酸素がたくさん脳にまわるのか、練習後は頭がスッキリします。仕事の効率も上がって非常に良い感じです。


ここ1ヶ月くらい、

篠笛の練習をする時は自分の吹いている姿をずっとスマホで動画撮影するようにしています。


この練習方法は次の3つの理由で非常に効果的です。

  1. 緊張感が半端ない
  2. 鏡チェックに比べて練習時の集中力アップは確実
  3. 指の動きや息遣いなど細かい点がスロー再生や静止画面で何度も確認できる


  1. 緊張感が半端ない

    ただの自己練習なのに スマホの録画ボタンを押した瞬間、一気に緊張感が走ります。誰かに見られているような、舞台に上がって演奏する時の心理状態に似た感覚で練習することが出来ます。

  2. 鏡チェックに比べて練習時の集中力アップは確実

    鏡で自分の吹いている姿を確認する方も多いと思いますが(私もずっとそうしてました)、それってつまり顔を上げてしっかり目を開いて鏡に映った自分を見ているんですよね。
    吹きながら鏡に映った自分の指の動きを見たり、姿勢を確認したり、吹いている時の自分の顔を見て「おもろい顔やなぁ」とか思ったり(笑)
    目線があちこちに移ったり他事を考えたりして笛を吹くことに100%集中してないんです。
    その点、動画撮影だと吹きながら自分の姿を確認する意識はなくなりますから(反転モードにしていたら話は別ですが)、目線を動かす必要もなくなり、理想的な半眼に近い状態で練習に臨めます。集中力アップは確実です。

    自分の吹いている姿はあとで動画で確認すればいいですからね。

  3. 指の動きや息遣いなど細かい点がスロー再生や静止画面で何度も確認できる

    吹いている時はスルーしがちな指の動きや息遣いの課題点を、あとで何度もスロー再生や静止画面で確認できることもメリットです。

    自分ではそこそこ上手く指回しが出来ているなと思っているところも、動画で見たら指の動きが全然滑らかではなかったりして愕然とします。
    鏡越しに見る己の姿は脳が勝手に補正してくれるので、自分への評価が甘くなりがちですが、動画は補正ゼロです。記録した動画を見れば見るほど現実を突きつけられて「全然あかんやん」と凹みそうになります。

    でも、自分の欠点を受け入れないことには改善に向けての一歩が踏み出せませんから目を背けてはいけないんですね・・・なかなか精神的にキツい時もありますが、地味に地道にガンバリマス。

練習中の撮影動画をスクショ
なんかカタいなぁ



以上、篠笛の練習【動画撮影して記録を残す】でした。

英語ブログ "Diary of a Shinobue lover" も記事アップしました!
指打ちについて書いています。
I just updated my blog!

↓↓↓

2019/02/28

英語版ブログ始めました


こんにちは。

ただでさえ遅筆なのに、無謀にも英語版ブログを開設してしまいました。

↓↓↓

Diary of a Shinobue lover
https://shinobuediary.blogspot.com/


こちらのブログ同様、篠笛についてのブログになります。


関西人のノリと体当たりサバイバル英語でなんとか凌いできたのに英語で文章なんか書けるのかしら。


なんか、勢いで作ってしまって
完全に「ええいままよ」状態です(笑)


これも修行と思って頑張ります。


まだ、始めたばかりで記事の数は少ないのですが、拙い英語を読む耐性がある優しいお友達がいらっしゃいましたらブログのことをお伝えいただけますと嬉しいです。


よろしくお願いいたします。




〈その後、ゆっくりずつですが更新してます!〉
英語版ブログの記事をアップしました

2019/02/18

シンガポールの篠笛練習会

先週の土曜日は、月に一度の篠笛練習会でした。


シンガポール人メンバー中心の練習会で、私は3年半以上この練習会の進行役を務めております。


私含めてほとんどのメンバーがゼロから篠笛を始めた人たちです。
毎月和気あいあいと、でも真剣に練習に取り組んでいます。



ちょっとみんなの自慢をさせてください。


みんな、とても「いい音」を出すんです。


スッカスカの音とか出さないですよ。


万一出てしまったら、

「今のは"airy"(スッカスカ)だったからもう一度」と言って吹きなおします。


人の音、自分の音を聴いて、どんな音が篠笛の音として良いのかをそれぞれが分かっています。


メンバーの誰かが、いい音を出した時、「今の音、すごくいい!」ってみんなで反応します。


篠笛のキレイな音を聴くのが好き、そして自分もキレイな音を出そうと努力する人たちです。


全員太鼓もやっていて、太鼓の練習でスタジオに来た時によく屋上で篠笛の個人練習をしています。


努力家さんたちなんです。


実は現在残っているメンバーは私も含めて、器用に何でもソツなくこなすタイプではなく、1つのことが出来るようになるのに非常に時間がかかる人たち。


今みたいにいい音が出せるようになるのにかなり年数がかかっています。


でも、不器用だからこそ、篠笛を始めた時に真っ先に派手な運指の曲には飛びつかず(飛びつけず)、基本中の基本となる「音」の質を高めていくところから始めることが出来たんだと思います。


月例練習会の内容は基礎練習中心でとても地味。
試行錯誤していくうちにそうなって行きました。
もちろん曲練習もしますけど、曲を次から次へとたくさん練習したい人からしたら、つまんなかったかも知れないですね。
今残ってるメンバーは根気あります。



シンガポールで篠笛を頑張るメンバーたち
これは今月ではなくて数ヶ月前の集合写真


今月の練習会ではメンバーからたくさんの質問を受けました。
お囃子の指打ちが難しいという話にもなりました。


(私は指導者ではないので、上がった質問の全てに答えることは出来ませんが、自分の知りうる限りの範囲内で、実際に自分が実践してみて出来るようになったこと、理にかなっていると思ったこと等に関しては、情報の「シェア」という形でメンバーに伝えるようにはしています。)


ここ数年でメンバーの嗜好にもだいぶ変化が見られ、お囃子を吹いてみたい人たちが増えています。


それは私もそうです。実際に日本の祭でお囃子を吹いたことはありませんが、私も年々お囃子、お囃子らしい篠笛の音を出したいという気持ちが高まっています。


篠笛がもともとどういう場面で吹かれてきた楽器なのか、どういった曲で篠笛が持つ音の美しさ、華やかさ、軽やかさ、清らかさが発揮されるのかを考えると、お囃子、お囃子らしい音曲を吹くのが自然の流れなんじゃないかと。


これは私の個人的な気持ちで、メンバーがどこまで考えてお囃子を吹きたいと思っているかは定かではありません。


ただ、彼らが祭囃子で流れる篠笛の音に「日本らしさ」を感じているのは間違いなく、祭が何であるのかという理解は充分に及ばずとも、お囃子を自分も吹くことでその「日本らしさ」に触れてみたい、日本と繋がっていたいという気持ちを持っていることは分かります。


篠笛で「千本桜」(古い?)を吹きたいと言われたらズッコケますけど、お囃子を吹きたいと言っている彼らの篠笛に対する姿勢はすごくまともだと思います。



さて話を元に戻すと、シンガポールで篠笛を頑張るメンバーたちは、個人差はあれど今こんな状態です。



音はきれいに出るようになってきた。


でも曲吹きになった時、それぞれのきれいな音が繋がっていかない。


特に自分たちのやりたいお囃子の曲になると指がついていかない。


どうしたらいい?



ん~、いっぱいクリアしていかないといけない課題がありますね。



メンバーから篠笛に関する質問や議論が上がってくるのは嬉しい反面、それは私達の練習内容のレベルも一段階上がる時期に来ているということなので、練習会を仕切る側としてはさらなる勉強と練習が必要となります。


指打ち、指回しだけでなく、息遣い、姿勢、構え方といったことにも練習会で触れていかなければならないでしょう。



私個人にとってもこれらは喫緊の課題です。


まずは自分がきちんとクリアしていかなくては、練習会のメンバーに何も還元出来ませんからね。


今月の練習会は、メンバーの成長が感じられただけに、次の課題も明確に見えてきて、ちょっと今まで以上に気合い入れていかないとダメだなと気持ちが引き締まりました。




ちなみに今回、メンバーが主に使ったのはこちら↓の笛です。

このプラ管、プラ管なのに下手な竹管よりずっと鳴るんです。

こちらについてはまた書きますね。


練習会メンバーに大好評の唄用プラスチック製篠笛



プラスチック製篠笛
「篠音-しののね-」唄用7本調子
1700円(税別)なのにめちゃくちゃ鳴る


以上、シンガポールの篠笛練習会についてでした。

2019/02/14

太鼓と私 -「あの感覚」

ここ1年くらい、太鼓の練習をしています。



シンガポールの太鼓団体に所属していますので、太鼓に触れる機会は比較的たくさんあります。



とはいえ、きちんと太鼓と向き合って練習するのは月1回ほど。



打楽器は不得手でして、一向に上達しません。



自分が納得できる「音」を、太鼓ではまだ一打も打てておらず、



ずっと光の見えない暗闇を走っているような気がします。



それでも、太鼓の練習を止めないのは、太鼓が篠笛にとって切っても切れない関係にある楽器だからです。



今日は太鼓についてちょっと書いてみます。


太鼓がうるさくて嫌だった時期


実は篠笛を始めた当初、太鼓団体のメンバーが叩く太鼓の音がうるさくて耳障りで仕方ありませんでした。



篠笛一人(私)に対して、10人以上が長胴でマックスの音量でドカドカ叩き出す。



その中で吹く。



笛を始めたばかりで、芯のある大きな音を鳴らすことができなかった私は、その大騒音(失礼)の中で笛を吹くことにかなりストレスを感じていました。



誰一人、自分の笛の音を聴いていないんじゃないか(実際、最初の方は笛を鳴らせてなかったから聴こえてなかったと思います)、という被害妄想と孤独感が入り混じった感情を抱きながら一緒に練習をしていました。



でも、ここ2年くらいでしょうか、自分の太鼓に対する向き合い方が変わりました。



もっと相手の音を聴こう、太鼓の音を通して伝わってくるメンバーからのメッセージに耳を傾けよう。


そう思うようになりました。


太鼓の向こう側にいるメンバーと向き合う


太鼓メンバーには、クラスで太鼓を習い始めた初心者からパフォーマンスで演奏しているメンバーまで様々な人がいます。



経験、技術、年齢、性別、性格、国籍バラバラです。


同じ曲を練習していても、打つ人によって聴こえてくる太鼓の音は全く違います。



一人一人の音に向き合うようになると、それらの違った音に反応して、自分の笛の音や息遣いも微妙に変化していることに気が付きました。



予想もしなかった良い一打がぶちこまれると、私も予想しなかった一音を鳴らしたりするのです。



逆に、何のメッセージもない平坦な太鼓を叩かれると、自分でもびっくりするくらい「カラッポ」な笛の音になったり(笑)
(これはダメなの分かってるんですけど、時々やってしまう...)



まだリズムがうまくとれない初心者の太鼓には、息継ぎやアクセントになる部分を少し大げさに吹いてあげることで拍を取りやすくしたり。



演奏をしている、というより笛と太鼓を通して相手と会話しているような感覚です。



基本となるお題(曲)はあるけれど、どう流れていくかは、互いの性格、関係性、相性、その時のコンディションに多分に左右されます。



同じ相手でも毎回違う流れになるのが面白い。



太鼓と演奏するのって、しゃべってるのと一緒やんって思うようになってから、太鼓の音をうるさいとは感じなくなりました。



それどころか、篠笛と一番親和性が高いのって、やっぱ太鼓じゃない?と思うようになり、昨年一年間は太鼓と一緒に笛を吹く時間を多く作るようにしました。



太鼓の練習を始める


同時に、冒頭の通り、月1ですが太鼓の練習もするようになりました。



昨年、水口囃舎さんから教えて頂いた水口囃子の小太鼓(締太鼓)の練習をしています。



恥ずかしながら、未だ地打ちすらまともに出来ません。



打楽器を奏じるセンスがまるでないので悪戦苦闘しています。



鼓面の上っ面を叩いているだけで、全く太鼓の芯(?)、太鼓の中まで打ち込めてないのが分かります。



撥と鼓面の角度が違うのかな、撥の持ち方を間違えてるのかな、腕の下ろし方がカタいのかな、と色々フォームを変えたりするのですが、鈍臭い音しか太鼓から返って来ずなかなかうまいこといきません。いい太鼓を使わせてもらっているのに申し訳ないです。



苦行です。一番苦手なことをやっています。アイロンがけ(私が世界一嫌いな家事)といい勝負なくらい苦手です。



でも太鼓打ちの気持ちが分からずして良い笛吹きにはなれないと思うので続けています。





「あの感覚」


私が初めて笛を「鳴らした」時、自分の持ってる笛が突如ぶわーーんと振動し出しました。


歌口に唇をつけて、指で笛を持っていますから、笛の振動が身体中に伝わります。


耳から聴こえてくる自分の笛の音はそれまで聴いたことのない、芯のある真っ直ぐ遠くに響く音。


自分の周りの空気は笛の振動が伝わって揺れているのが分かる。


初めて味わった感覚だったので、「えっ、なにこれ?!」とパニックを起こしたのを覚えています。


ようやく落ち着いて、これが笛を「鳴らす」ということなんだと理解した時、それまでの自分はずっと笛を吹いていたに過ぎなかったのだと分かりました。



おそらく、太鼓を「打つ」というのも、楽器は違えど原理は一緒なんじゃないかなと思います。多分、太鼓を打った時は、否応なしに身体で耳で、周りの空気の揺れで感じれるんだろうな、と。



だとしたらやはり今の私は太鼓の面を叩いているに過ぎません。



笛を鳴らした時に味わった「あの感覚」は太鼓ではまだ体験していません。



一打でもいいから、太鼓を「打つ」感覚を身体で感じてみたいものです。



道のりはかなり遠そうですけど...





太鼓の練習と、太鼓との練習(笛x太鼓)は並行してこれからもやっていくつもりです。





以上 太鼓の話でした。






これは民謡を演奏する時の太鼓のセットアップ
左が水口囃子の練習の時に使っている小太鼓(締太鼓)です。



2019/02/08

旧正月を祝う国で暦について一瞬だけ考える

Chinese New Year(旧正月)も明けて、ぼちぼち通常運転に戻りつつあるシンガポール。
とはいえ、多くの中華人は今週末いっぱいまで正月モードです。
仕事のメールを送っても当然返信はナシ。



旧正月を祝う国に来て8年目にもなりますと、新月の時に正月が来る旧暦の方が心身ともにしっくり来ます。


そういえば、日本(一部地域を除いて)は旧暦で正月を祝わないんだなぁ、と
今更ながら考えたり。



いつ新暦を採用したんだっけ。明治だよね?なんでだろう?なんて疑問に思って
ググってみたら面白いサイトを見つけました。


暦と天文の雑学


旧暦 明治5年12月2日で終了 → 翌日より新暦スタート 明治6年1月1日


さ、師走始まった!と思ったら正月ですか(笑)


色々すごい、明治政府(笑)


この記事にもあるように、なりふり構ってられなかったんでしょうねぇ。


完全に改暦しなくても、旧暦と新暦の併用でも良かったと思いますけどね。


そうしたら、祭の土・日開催問題とか起きなかったのかも知れません。




たらればの話をしてもしゃーない、しゃーない。


さ、アンパオ用意しよ~



紅包(アンパオ)
旧正月前はお店でお買い物をすると このような
祝儀袋をおまけしてもらえます



2019/01/24

カリフォルニアロールと日本音楽

突然ですが、




お寿司屋さんへ行ったとします。(日本国内とお考えください)




結構、繁盛しているようで客席はほぼ満席。



予約していたカウンター席に座りました。



目の前では日本人の板前さんがお寿司を握っています。




「おまかせコース」を頼みました。





板前さんが最初のお寿司を目の前に置きました。
















「ん?!」






あれ、これはもしかして、シンガポールのスーパーでよく売られている
カリフォルニアロール?!








前菜として敢えてこういう変わり種を出す店なのかな・・・?








ふたつめ












「えぇ?!」






来たよ、アボカドや。アボカド好きやけど、違うやん。























はいはいはいはい、これな。うん、外国の人こういうの好きやわ。



入る店間違えてしまった。これは私が悪いわ。うん。







ふと振り返って店内を見渡すと、店内にいるのは全て日本人。




みんなカリフォルニアロールをありがたそうに食べている。






「やっぱ日本の寿司は美味いね」





「和の心を感じるね」






口々にカリフォルニアロールに賛辞を送るお客たち。





誇らしげな板前さん。








目眩がしそうになって、お会計を済ませて店を出る。







「お寿司って何だっけ・・・」






虚ろな目でとぼとぼと歩きながら夜の闇に消えていく・・・







-世にも奇妙な物語春の特別編-





この物語はフィクションです。








当たり前です(笑)


こんなことは日本では起きませんよね。





日本に住まわれている日本人で、お寿司と聞いて、瞬間的にカリフォルニアロールを思い浮かべる方はおそらくいらっしゃらないでしょう。


カリフォルニアロールに「和の心」を感じる方も珍しいのではないでしょうか。




断っておきますが、カリフォルニアロールのことを否定するつもりは全くありません。


カリフォルニアロールは魚を生で食べる習慣がない、また酢飯に馴染みがない外国人に寿司を知ってもらう最初のきっかけとしては大変 工夫された食べ物だと思います。
私も猛烈にごはんものが食べたいけれど自炊する時間がない時にシンガポールのスーパーで買って食べます。




ただ、カリフォルニアロールが日本の食文化を代表する食べ物かと問われたら「違います」ということは申し上げたいです。


味も、素材も、作り方も、提供のされ方も、食べる時の作法も、何もかも寿司とは別物です。海外でよく遭遇する、「なんちゃって和食」に入ります。それが悪いとは申しません。



話を元に戻しますね。



今回、世にも奇妙な物語春の特別編をお届けしましたが、



これを読まれて


「んなこたぁ起きないよ」(タモリ)




って普通に思われましたよね。


そうなんですよ。多分、今後も起きないと思います。






でも、これ篠笛の世界では既に起きてしまってるって言ったらどう思われます?





篠笛の演奏会に行ったとします。

チラシに「日本の心」とかなんとか書いてあります。

会場はお客さんでいっぱい。

期待しますよね。


一曲目、めっちゃ洋楽。

二曲目、めっちゃポップス。

三曲目、日本の曲を演奏しますって言って、童謡唱歌


吹いてる笛はドレミ笛


周りのお客さんの反応「和の心を感じる」




「篠笛って何だっけ・・・」




ノンフィクションです





フィクションであって欲しいけど、これリアルで起きてることです。





洋食文化が日本に入ってきたとは言え、日本の食文化は割と守られているというか、日本食と外国の食文化の棲み分けがうまく出来ているように思えます。


海外に出て初めて、自分も含めて日本人って和食文化へのプライド、こだわりを強く持っているんだなと感じました。

前述の「なんちゃって和食」に遭遇した時の日本人の反応は大変シビアです。
「こんなの日本食じゃない」と味付けや素材だけでなく、器や盛り付け方、店員の食事の提供の仕方、店の雰囲気、佇まいなど総合して、「日本」的かそうでないかの評価を下します。
もちろん、値段に見合った味・サービスが提供されますから、料金設定が低いお店でこれをやったらただのイタい客ですけど笑




そんな日本人ですが、どういう訳かこと音楽文化に関してはプライドもこだわりも希薄であるように感じます。


「なんちゃって和食」を食べてこれは違うと判断できる日本人が、「なんちゃって和楽」を聴いてこれは違うとはならない。


食文化は守れているのに音楽文化は守れていない。




なんでなんでしょう。



最近、会う人会う人にこんな話をしています。






ああ、大阪帰ってお寿司食べたいなあ!






2019/01/07

「邦楽調 雲雀」を吹いてみた  篠笛レビュー

昨年の秋に日本へ帰った際に、大塚竹管楽器さんが新しく出された邦楽調(唄用)の篠笛を購入しました。


前々回のブログ記事でも触れておりました、「邦楽調 雲雀」(ほうがくちょう ひばり)です。


大塚竹管楽器さんの邦楽調(唄用)篠笛
雲雀


このところ忙しかったのですが、ようやく色んなことが一段落ついて時間が出来たので久しぶりにスタジオを押さえて篠笛の練習。そこで「雲雀」も吹いてみました。


知り合いのミュージシャンに紹介してもらった
ドラマー専用のスタジオ

個室練習部屋
ドラムセットを前に篠笛の練習をしています笑

このドラムスタジオの個室練習部屋は、利用料S$15/1時間とお手頃。
月契約するとS$120で朝の8:00から深夜0:00の間使い放題でかなりお得。
重宝しています。



話を本題に戻しますと、
この「雲雀」は"歌舞伎囃子や三味線などの相性を考えて作られた笛"と大塚竹管楽器さんのウェブサイトに書かれてあります。

これは何がポイントかと言うと、

「雲雀」はこれまで大塚竹管楽器さんが作られていた、そして今ももちろん作られている、洋楽調(ドレミ調)笛の「東雲」とは異なる、日本の調律で作られた笛である

ということです。「東雲」とは別物です。


以下大塚竹管楽器ウェブサイトより抜粋

"長唄などに使われ、篠笛本来の美しい響きを損なわない伝統的な調律をしています。
長唄をはじめ民謡やわらべ唄など日本に伝わる多くの曲を演奏するのに適しています。"

つまり、本来の意味での「唄用」の笛が、大塚さんのところで新たに製作・販売されることになり、それが「雲雀」に当たります。


笛を長くされている方でも勘違いしていらっしゃる方が多くて、私は3、4年ほど前に「東雲」を吹かれている人に、「東雲」はドレミで調律されている笛と申し上げたのですが、その方はご自身が持っておられるのは、唄用の笛だと仰いました。
これは無理もない反応でして、実際 楽器屋さんへ行ったら、「唄用/唄物」って書いて売られてますから、買った方からしたら唄用と認識しますよね。
まぁ、でもその頃は、大塚竹管楽器さんからは篠笛に関しては、古典調「獅子田」とドレミ調「東雲」しか出していませんでしたから、唄用の笛ではないんです。。。


「邦楽調 雲雀」八本調子 七穴 両籐巻


そんな訳で、昨年に大塚竹管楽器さんが唄用の笛を出されたことは私にとっては、お?!となるニュースでした。
ウェブサイトを拝見すると、「獅子田」は古典調、「雲雀」は邦楽調(唄用)、そしてこれまで作ってこられたドレミ調の笛「東雲」を洋楽調(ドレミ調)と、分かりやすく区別・明記して販売されておられます。前回のブログで私がぶーぶー文句を言っていた誤表記問題が起きないような打ち出し方をされて、それも良いことだなぁと感じておりました。

【前回のブログ記事】
唄用篠笛・ドレミ笛問題 一般消費者から言いたいこと


あとは、代理店、楽器屋、太鼓屋さんに卸して販売される際にどう表示されるかです。その点も今後注目したいです。


私個人は、専ら「京師」しか使いませんが、「雲雀」はシンガポールで篠笛を頑張っている仲間への情報提供のためにも是非吹いてみたいと思っておりました。
なんと言っても、一管13,500円~とこちらの人が買い求めやすいお値段なんです。



そんな「雲雀」を実際に購入して吹いてみた感想を書いてみます。


「邦楽調 雲雀」八本調子 七穴 両籐巻 13,500円


指に負担をかけない指孔の配置

購入前に一番気になったのは指孔の配置ですが、指に変な負担をかけずに自然に
全ての指孔を塞ぐことが出来ました。これは女性や子どもにとっても運指が楽です。


上:京師 邦楽調(唄用)八本調子
下:雲雀 邦楽調(唄用)八本調子

細い

「京師」と比較すると細いです。八本調子だから余計にそう感じるのかも知れません。最初、「京師」と同じ要領で吹いた為、音割れしてしまいました。これは笛云々ではなく、息の吹き込み方、息の量を自分が調整することで解決しました。数分吹き続けていたら慣れてきます。

逆に言うと、初心者の方や息の量があまり多くないお子さまでも鳴らしやすい笛だと思います。


左が雲雀で右が京師

軽い

竹の材質もあるのでしょうか、あと管が細いので持った瞬間、軽いと感じました。


筒音が鳴らしやすい

全ての指孔を無理なく塞ぐことが出来るので、筒音が鳴らしやすいです。
また、細い笛なのに低音もばっちり鳴ります。


高音がとてもキレイ指打ちの歯切れが良い

さすがお囃子の笛を長く作られているだけあって、高音の響きが非常に良くて吹いていて気持ちが良いです。また、指打ちしやすく、打った時の音の歯切れの良さも、「獅子田」を彷彿させます。


唇の位置は気をつけて

歌口に唇を乗せる時、深く乗せると音がうまく鳴らないかも知れません。
浅め(というかほんの僅か)に乗せると良い音が出ると思います。


まとめ

「雲雀」は鳴らしやすくて価格もリーズナブルですから、初心者の方やプラ管から竹管に買い替えをお考えの方にもおすすめです。

あと、既に「東雲」や他のドレミ笛を吹かれてる方も、唄用の笛ってどんなん?ってことで試されても良いかも知れません。

ドレミ笛→唄用に持ち替えた時に実感するのは、やはり指孔の位置の違いではないかと思います。
今回の八本調子では分かりにくいですが、六本調子とかもっと長い笛になってくると、唄用の笛は第一孔でも小指が普通に届きますから、指回しが楽だと感じられるでしょう。



歌口



指孔

以上、「邦楽調 雲雀」を吹いてみた、でした。



後日談:この記事を読まれた大塚竹管楽器さんからメールをいただきました!
大塚竹管楽器さんからメールを頂戴しました!

2018/09/10

大塚竹管楽器さんがついに唄用篠笛を製作・販売!

久々の更新です。

今日は自分的には朗報が入ってきたのでシェアいたします。


大塚竹管楽器さんがついに、唄用の篠笛の製作・販売を始められましたーーー!


大塚竹管楽器さんと言えば、獅子田流の篠笛を代々にわたって作られている笛屋さんで、当地シンガポールでも大塚さんとこの「獅子田 竹渓」を持っている仲間は結構います。私も持っています。


大塚竹管楽器さんでは、これまで古典笛以外はドレミ笛しか作って来られなかったのですが(明笛は除きます)、先週ホームページを覗いてみたら、邦楽調(唄用)の篠笛の製作・販売を始められたようで、これには大きく反応してしまいました。

ドレミ笛一色のこのご時世に、敢えて唄用の篠笛を出して行かれるとは、大塚さんすごいなぁ~!


その名も、「邦楽調 雲雀」(ほうがくちょう ひばり)!!

どういう笛かちょっと紹介します。(ホームページより引用)

・歌舞伎囃子の三味線との相性を考えて調律された唄用と呼ばれる笛
・指孔の大きさや間隔が古典調の笛に近い
・音階・指打ちの響き・運指など篠笛本来の趣を損なわないように作られている
・長唄をはじめ民謡・わらべ唄を演奏するのに適している


ホームページで、古典・邦楽調(唄用)・洋楽調(ドレミ調)の三種類の笛の写真を掲載して比較していますが、なるほど 邦楽調(唄用)と洋楽調(ドレミ調)の笛では指孔の大きさ・間隔が全く異なることが見てすぐわかります。


価格は、籐両巻で13,500円(税込み)から、とリーズナブル。


これなら、2〜3万円台の篠笛はちょっとお高い・・・と買うのをためらっているシンガポールの篠笛仲間にもオススメしやすいです。
あと、写真を見た感じでは指孔が均等に近い間隔で空けられているので自然に手を添えるだけで孔を塞ぐことが出来そう。つまり、指運びめっちゃ楽って点でも仲間に勧めやすいです。


とはいえ、まずは自分で吹いて音色を確認してみない限りプッシュ出来ないので、今度日本に帰ったときに購入して試してみたいです。
手に入れたらまたレビュー書きます。



気になる方はホームページをチェックしてみてください。
http://www.fueya.com/?pid=131866948

吹いたことがある方、既に購入された方がいらしたらどんな感じか教えてください。




全然関係ありませんが、阪急宝塚線に「雲雀丘花屋敷駅」(ひばりがおかはなやしきえき)って駅があります。降りたことはありませんが。

2018/04/24

2018年1月~4月を振り返って

【2018年1月~4月 笛関連で始めたこと・体験したこと】

太鼓と練習する機会を増やす

2018年に入ってから「月5回は響屋(所属している太鼓団体)に行って太鼓メンバーと練習する」ことを自分に課してこれまで継続しています。

初級~上級まで様々なレベルの太鼓クラスメンバーと一緒に練習することは笛吹きとして大変勉強になります。拍ではなく、息で合わせて太鼓と笛の音がうまく重なった時が一番気持ち良い瞬間です。


目覚め一番 指の運動

朝、起床した時に必ず両手の指をほぐすストレッチ運動をしています。
これは以前からやっていますが、今年に入ってからはお囃子を吹くことを前提により滑らかに指がまわるよう意識して実行しています。
指ストレッチは、月イチの練習会でもやり方を教えています。意外と効果あり。


水口囃舎さんによる水口囃子ワークショップ

4月7日・8日 滋賀県からお越しになった水口囃舎さんによる「水口囃子ワークショップ」(響屋主催)に参加しました。(響屋主催)

水口曳山祭、祭りを行う理由、水口神社、曳山、水口囃子の歴史、現在まで伝承されている曲(東西含めて)について等 我々が曲を習う以前にまず知っておかなければならない、祭りの核となる部分のお話を、現地のお祭りで実際にお囃子を奏されている代表の野村さん他 水口囃舎のメンバーの方たちから聞くことが出来て本当に良かったです。曲は「屋台」を習いました。

地元の皆さんが大切にされているオリジナルの形を決して崩さず、シンガポールのメンバーと時間をかけて練習していきたいです。

4/20の水口曳山祭 お疲れ様でした!!


未来のスターとお稽古

今月に入ってからお囃子大好きな5歳児さん(シンガポール人)と時間が合う時に笛の練習をしています。太鼓も笛も素質ありまくり、生まれながらのパフォーマーな彼(イケメン)。
最近買った7本調子の唄用プラ管を持って、「練習しようぜ」って駆け寄ってくるのがたまらん♡
そのうちグングン追い越していってシンガポール人初の篠笛スター奏者になりそうです。



SNSやってないので(アカウントはある)、なかなか日々やっていることをマメにシェアすることがなく、そうこうしているうちに何をやったか本当に忘れてしまいそうなので、振り返ってみました!




〈追記:その後、太鼓の練習も始めました〉 太鼓と私 -「あの感覚」

2018/04/05

海外の篠笛愛好家さんたち

年始の挨拶投稿から昨日の更新(4/4)まで放置状態だった当ブログ。


相変わらずゆっくり更新ですが なんとかやめずに継続しています。


その理由の一つが、最近シンガポール・日本以外からの閲覧者数がぼちぼち増えてきていること。


「ある篠笛好きのつぶやき-北緯一度から-」
ブログ閲覧者数の多い国ランキング

 1 シンガポール
 2 日本
 3 アメリカ合衆国
 4 フランス
 5 ウクライナ
 6 ロシア
 7 ニュージーランド
 8 マレーシア
 9 スペイン
10 オーストラリア


うちのブログは、自慢じゃないですが「篠笛」「海外」等のキーワード検索で探さない限り辿り着けないくらい超マイナーなブログです。周囲にもブログをやってることを言ったことありません(笑)
南国の小さな島の片隅で細々と続けているブログを見つけてくださった方は、相当篠笛が好きな方なのではないかと推察。

実際、年始にブログを読んでくださったフランスの篠笛愛好者の方からご連絡もいただきました。とても嬉しかったです。

実はあのご連絡を頂く前までは、海外からの閲覧者は全部ハッカーだと思っていたんです(笑)

「ウクライナやロシアに篠笛好きがいてはるわけないし、こんなブログ読んでるわけがない。ハッカーや!」
ハッカーが何なのかもよくワカラナイ IT音痴ですが、そう思っていました。


でも今は 「海外にも私と同じように篠笛が好きな人たちがいらっしゃるんだ」と前向きにとらえています。


指導者がいない、一緒に練習・演奏できる相手がいない、篠笛の購入・修理に時間と金銭的コストが余計にかかる、情報が不足している等々、海外で篠笛をされている方たちの悩みは尽きないと思います。それでも篠笛が好きで、何とか続けていらっしゃるのであろう皆さんのことを考えると、「自分も頑張らないとな」と踏ん張る気持ちが湧いてきます。


と、いうわけで続けていきます。



以前軽いノリで描いたのですが案外気にいっている
「たけくん」


P.S.  各国からの「ハッカーじゃないよ」連絡もお待ちしております(笑)



〈フランスの篠笛愛好者さんからメッセージをいただきました!〉
嬉しいこと

2018/01/24

嬉しいこと

新しい年を迎えましたね。

ここ数年、慌ただしく常に何かに追い立てられているような心理状態で過ごしてきましたが、2018年からは穏やかな気持ちで色々なことに取り組んでいけるような気がします。
仕事、篠笛、プライベート共に、周囲にいてくださる人たちを大切に、身の丈にあったことからコツコツと頑張っていこうと思います。


年明けから嬉しいことが一つ。
このブログを読んで下さった海外在住の日本人の方からメッセージをいただきました。
その方も篠笛をされていて、お住いの国で篠笛仲間を増やそうと頑張っていらっしゃるとのこと。国は違えど日本を離れた外国に同志がいらっしゃることを知りとても嬉しく、また励みになりました。


ブログを続けてきて良かったです。
スローペースの更新になりますが、これからも宜しくお願いします。

響屋が入っているビルの屋上
夕方ここで篠笛の練習をするととても気持ち良いです
向かいのオフィスで働く人たちと近隣のコンドの住民に向けて
ガンガン吹いてます(苦情は今のところ来ていません)



〈追記の記事〉
海外の篠笛愛好家さんたち

2017/12/21

師走

2017年も残すところあと10日となりました。


仕事が忙しく夏以降ブログを全く更新していませんでした。

7月から9月にかけては月1ペースでイベント、コンサート等で
演奏させていただく機会がありましたが、秋に入りすっかり
お仕事モードに入り、ここのところ演奏活動は控えております。

篠笛に全く関わっていないか、と言えば決してそうではなく、
響屋で毎月行われている篠笛の会では楽しくメンバーと練習に励んでいますし、
以前、ブログで紹介しました「日本の音・篠笛事始め」のレビューを書かせて頂いたり、シンガポールで良い形で篠笛を広めていく土台作りを地道に進めていたり、
忙しい中でもなんだかんだ篠笛がついてまわる日々を送っております。



来年からどのように演奏活動をしていくかは未定ですが、
仕事やプライベートとのバランスをうまく取りながら無理のない
範囲で吹かせて頂けたらと考えています。




ウィルス性髄膜炎、母親の急逝と苦難が多い2017年でしたが、辛いことがある度に皆さまに助けていただき、なんとかこうして年を越すことが出来そうです。
泣き暮らしていた私に笑顔をたくさんくださったこと、本当に
感謝しています。ありがとうございました。

来年は皆さまへの恩返しの年にしたいと思います。

今後ともよろしくお願いします。
どうか良いお年を!

2017/07/13

充実した日々

日本から帰ってきてからお陰様で出演依頼や問い合わせのメールを結構いただくようになり、忙しくも充実した毎日を送っています。

昨日はジョホール・バルからお越しになった方と打ち合わせを致しました。
少し先になりそうですがとても意義深く、そしてワクワクする素敵な企画が生まれそうです!ついにシンガポール外で公演?!

月末にはまだ本決定ではありませんが、あるイベントで演奏させていただく方向で話が進んでいます。決定次第告知致します。

9月に本決定しているパフォーマンスは私にとってはまた新たな挑戦が待っています。
日本からのプロのゲスト達との異色のコラボ。緊張と期待で胸いっぱいです。
一般の方はご入場できないイベントですので告知は出来ませんが、後日報告させてください。

この他にも水面下で進めている面白い企画があり、上半期から一転して下半期は忙しくなりそうです。


しかし、こんな時こそ調子に乗らず、一つ一つのお仕事に謙虚な気持ちで臨むべしです!

2017/07/07

新宿にて打ち合わせ

お久し振りです。

昨夜は新宿にいました。










カッページの居酒屋「新宿」です。


シンガポールにいますよ、ハイ(笑)


詳細はまだ話せませんが、大きなお仕事をいただきその打ち合わせに行ってまいりました。


新たな挑戦です。






2017/05/09

田楽座さんから学んだこと

去る4月17日、Esplanade Recital Studioで行われた和太鼓コンサート「HIBIKI Ⅵ-天鼓TEN」は大盛況のうちの終了しました。


短い準備期間の中、天鼓の3名と響屋のパフォーマーは出来る限りのことを頑張ったと思います。当地で活動する和太鼓ユニット「天鼓」結成10周年を記念するコンサートで演奏させて頂く機会を与えてくださった主催者の酒井奈美子先生には本当に感謝致します。

そして、ステージマネージャー、ロジスティック、カメラマン等コンサートを裏で支える仕事を引き受けてくれた響屋メンバーには心からお礼を言いたいです。
Thank you so much, everyone!
皆様本当にお疲れ様でした!


今回、日本から特別ゲストとしてお招きした田楽座さんの演奏は素晴らしいものでした。
コンサートでは田楽座さんオリジナルのお囃子メドレーに加え、群馬県の「八木節」、滋賀県の「水口囃子」、そして富山県の「こきりこ節」等の各地のお囃子、民俗芸能を「現地」スタイルで披露頂きました。

実は今回のコンサートは新規のお客様が多く、日本のお祭りやお囃子はおろか、和太鼓演奏すら全く聴いたことがない方もたくさんいらっしゃいました。にも拘らず、皆さま田楽座さんの演奏に心躍らせ、大興奮し、会場は祭さながらの熱気に包まれました。


このようなお客様の反応を目の当たりにしたことは、これからも当地で日本の音楽を紹介していく身としては大変励みになりました。お客様が外国人だから、日本の文化をよくご存知ないからといって下手な手心を加えずとも、ご先祖さまから脈々と伝えられてきた日本の伝統芸能、民俗芸能はそのままの形でもきちんとお客様に伝わるんですね。(もちろんお客様の理解を助けるための説明や伝え方には工夫が必要ですが)


日頃から「ブレたらアカン」と自分に言い聞かせてますが、今回の経験はそんな自分をより奮起させるものとなりました。


さて、ここからは嬉しい報告。
今回のコンサートのフィナーレ曲は響屋x田楽座さんとのコラボになっており、田楽座さんのパートはオリジナル曲「海のお囃子」を演奏していただく構成となっておりました。その「海のお囃子」の笛に私も加わらせて頂けたのです!

田楽座さんの代表曲を吹いていいんだろうかと最初は不安や緊張もありましたけど、本番はそんなものぜーんぶ消し飛んでしまうくらい心の底から田楽座さんとの演奏を楽しむことが出来ました。
人と心を通わせ一つの音楽を作るって本当に幸せなことですね。


田楽座さんから沢山のことを体験・勉強させて頂きました。ありがとうございます。

田楽座さんと天鼓+響屋メンバー

コンサートのパンフレットにも載せて頂きました。