2019/06/09

京都 篠笛修行メモ4 - ノーミス狙いが目標じゃない -


前回の、京都 篠笛修行メモ3 - 演奏前日にとんでもないことが - からの続きです。

読んでない方はお先にこちらを・・・


京都 篠笛修行メモ3 - 演奏前日にとんでもないことが -


3日目(5/19)

④清らかな風と直前のアドバイス


さあ、演奏当日です。


早朝に目が覚め、朝食・身支度を済ませた後、ホテルの自室で鏡に向かって笛の構え方などの確認。

音は出せませんので空打ちで、「0の音」の運指を何度も練習しましたが、右手薬指と小指を置く位置が未だ定まらず。さあ、本番どうなるか・・・


演奏場所の御寺泉涌寺(みてらせんにゅうじ)別院 雲龍院には初めて行くので、早めにホテルを出発しました。


JR奈良線の東福寺駅を降りてGoogle Mapさんの案内の通り歩くこと20分。


雲龍院へ向かう道
私の後ろには登山グループの方たちが
いらっしゃいました


・・・あれ?雲龍院さんって山の上にあるんですね(汗)
いやぁ、どうりで坂道が多いはずです。知らなかったのでサンダル履いて来てしまいました(←アホ)ひえーーーっ


泉涌寺境内に宮内庁管轄の宮墓地がありました。
賀陽宮(かやのみや)墓地・久邇宮(くにのみや)墓地

とても静かな場所です
賀陽宮(かやのみや)墓地・久邇宮(くにのみや)墓地

うんしょ、うんしょと汗をかきながら歩いてようやく雲龍院さんへ到着。

山登りはちょっと予想外でしたが、山上の心地よく清らかな風に迎えられ、疲れが一気に吹き飛びました。


・・・


さて、集合時間になりますと森田先生から門下生一同に本日の奉納演奏・発表会の流れの説明に加え、次のようなお話がありました。


「雲龍院は篠笛を吹くのにとても理想的な場所です。なかなかこういう場所で笛を吹ける機会はありません。お庭から返ってくる自分の笛の音色を楽しみながら吹いてみてください。間違わないように吹こうとか、ノーミスを狙うことがここで吹く目標ではないということを覚えておいてください。」(一言一句は一致しませんが、確かこのような内容でした)


このお話は、前日から「0の音」問題で少し悶々としていた私に色々と気づかせてくれる金言となりました。


(確かに日本で、しかもこんな絶好の場所で笛を吹くという又とない機会に、「0の音」一点に囚われて周りが見えなくなってしまうのはもったいなさ過ぎる。
ミスはおそらく50%の確率で起きるからその後どう立て直すかが大事。
もうちょっと視野を広くして落ち着いていこう。あと、お客様のことを忘れちゃだめ。)

お話の後、こんな感じのことを考えていたと記憶します。


森田先生が一番伝えたかった、「お庭からの反響音」については、正直この時点ではあまり意識というか仰っている意味の理解すらしていなかったのですが、アドバイスの後半の部分が自分には響いて本番直前のメンタルを立て直すことが出来ました。


「お庭からの反響音」について考え出したのは、自分の本番が終わった後になります・・・



その後、衣装に着替え、お客様をお迎えするために会場のセッティングなどの準備をしていよいよ13時半より奉納演奏・発表会の始まりです。


京都 篠笛修行メモ5へ続く
京都 篠笛修行メモ5 - 風にやられた -


大輪の間から見たお庭


大輪の間の「瞑想石」

2019/06/05

京都 篠笛修行メモ3 - 演奏前日にとんでもないことが -

前回の、京都 篠笛修行メモ2 - いよいよ京都でお稽古 - からの続きです。

読んでない方はお先にこちらを・・・


京都 篠笛修行メモ2 - いよいよ京都でお稽古 -


2日目(5/18)
③京都でお稽古続行、しかしとんでもないことが発覚・・・



初日に続いて、今日も玲月流・篠笛文化研究社にて発表会に向けて香織先生とお稽古です。


前日に先生方からご指摘を受けた箇所を意識して修正しようとするものの、たった一日で出来るはずもなく、相変わらず笛の持ち方の指導を受けました。


息の向き、お囃子系の曲を吹くときの留意点などは多少調整できたところもありました。
ホッ。


しかし、ここに来てとんでもない問題が発覚したのです。


0(零)の音です。


私は、0の音を出すときに少しカリぎみ(笛を前に倒して)にして吹く癖があります。


これは、シンガポールで一番最初に篠笛を習った際(私は森田先生に出会う前は違う方から篠笛の指導を受けておりました)に教えられた方法で、0の音を出すときはカリ吹き、というのが定着してしまっております。


0の音は第一孔と第二孔をきちんと塞いでいないと絶対に出ないしくじりやすい音です。
0の音をカリぎみで吹くと確かに音の出る成功率は上がりますが、七メリの音よりずいぶん強く音が鳴るので、曲吹きをした時に、他の音とのバランスが良くなくて、これでいいのかなぁと疑問に思うところはありました。


そこを今回初めて香織先生に指摘されました。


まず、カッたりしなくても0の音は正しい指の置き方をしていればちゃんと出る。
(うわぁ、ズルしてごめんなさい!)


カリ吹きで吹くと0の音だけ突出して強くて重い音になってしまう。
(はい、そこ気になってたんです)


そして、笛を前に倒す動作(カル)が入る分、音を出すのが遅れてしまう。
(確かに音を出すタイミングが遅れやすいです)


私の0の音はどうしても出す前から「次0の音が来るぞ」と意識し過ぎて指に力が入ってしまっているのですが、香織先生のお手本を見ますと、全然0の音を吹くときに余分な力が入っていません。指孔を塞ぐというより、指孔の上に指を正しく乗せていると言った方が適切な表現かも知れません。
全然自分の指の動き、音と違っていました。


その後、ご指導を受けて何回も0の音を正しい方法で出す練習をしてみましたが1/2の確率で失敗してしまします。やはり、前日から指摘を受けているように、正しい指の置き方が出来るような笛の構え方が出来ていないのが原因です。


明日の発表会では「さくら」の他、香織先生と3曲演奏させていただくことになっているのでそればっかりやってる訳にもいかず、他の曲の練習へ。


明日、「さくら」を吹くことが決まっているのに・・・0の音がとても大事な曲なのにどうしよう・・・全部リセットや・・・
練習しながら内心はパニック状態でした。



お稽古・練習を終えた後、今出川駅前のジャンカラに入って昨日と今日のお稽古でアドバイスを受けたところを一旦頭の中で整理しながら1時間だけ自主練習しました。


0の音は意識すればする程、指がガッチガチになって音が出なくなっていました。


これ、明日失敗しそう・・・
でも失敗を避けるために以前の吹き方に戻すのは絶対にしないでおこう。


それだけはっきり決めて京都駅に戻りました。



帰り道、京都駅周辺で


夜は、京都駅八条口側にある「いち藤」で
おばんざい御膳
一人用のカウンターがあるのがうれしい

ホテルに戻ってからは、明日の準備をして早めにベッドに入りました。

付け焼き刃で調整して明日の演奏に臨んでも仕方がないので、もうやれることはないのですが、それでも緊張と不安でなかなか寝付けませんでした。


明日はいよいよ奉納演奏・発表会です。

京都 篠笛修行メモ4へ続く・・・




【おまけ】

午後に先生のところへ行く前に色々と「THE 京都」って感じの場所へ行ってまいりましたので写真だけ貼り付けておきます。











京都 篠笛修行メモ2 - いよいよ京都でお稽古 -

前回の、京都 篠笛修行メモ1 - いったん京都から岸和田へ - からの続きです。

読んでない方はお先にこちらを・・・

京都 篠笛修行メモ1 - いったん京都から岸和田へ -


1日目(5/17)
②いよいよ京都でお稽古


森田先生と岸和田を後にし、

南海電車→地下鉄堺筋線→京阪→徒歩

で、ようやく玲月流・篠笛文化研究社へ到着。

京都御苑の北にある閑静な住宅街にございます。

同志社大学が近い!





ここからは、森田先生の奥様・森田香織先生にお稽古をつけていただきました。


香織先生は篠笛の奏者であり、先生であり、そして私が愛用している「京師(みやこ)」を作られている笛師さんでいらっしゃいます。私が非常に尊敬している方です。

私の篠笛


1年半~2年くらいぶりに先生にきちんと見ていただいたのですが、だいぶ直さないといけないところがあると分かりました。


まだやっぱり笛の構え方に問題があり、それが指回しが滑らかでないことに繋がっているようです。

この日は息の向きについてもご指摘がありました。


森田先生も2階でお仕事をされながら、下から聴こえてきた私の笛の音に対してフィードバックをくださり、どうしたら良いのかアドバイスしてくださいました。


言われてみて「ハッ!」とすることばかり・・・


色々と根本からまたやり直さないといけないことがありそうです。


お二人ともぱっと見て、聴いただけでどこに問題があるのか見抜かれて適切なアドバイスをくださいます。

基本的なところから、具体的に何をどうしたらよいのか、それは何故なのか、を理論立てて言葉にして指導してくださるところが、玲月流の先生たちのすごいところだと思います。

日本に住んでいたら毎日お稽古つけていただきたいくらいです。

日本のお弟子さん達が羨ましいです。


演奏当日に着る法被もゲット
篠笛文化研究社の社名入り
呂と甲からなるデザイン、いいですね~



発表会で演奏する曲目も決まり、森田先生ご家族と近所のおしゃれなレストランでお夕食をしました。


「アマーク・ド・パラディ 寒梅館」というお店で、同志社大学の「学食」とのこと。

ホームページ見てみてください。これが学食ですって・・・

母校、完敗ですわ(笑)



食事中もお箸やストローを使って、森田先生が私に篠笛の持ち方の指導をしてくださいました。なんて親切な先生。ありがとうございます。
そして、アドバイスいただいたことがスグに出来なくて本当にすみません・・・



食事後、先生方とお別れして今出川駅から地下鉄で京都駅へ移動しホテルへ。


奉納演奏・発表会は2日後です。


ご指摘いただいたところをある程度修正して当日に臨めたらいいなぁ、と 
この日はなんとかなるかなという気持ちで眠りに就きました。



京都 篠笛修行メモ3へ続く

京都 篠笛修行メモ3 - 演奏前日にとんでもないことが -

【おまけ】

岸和田から京都に戻る際に乗った、京阪電車の座席指定 特別車両「PREMIUM CAR」
広々として快適!テーブルもあって仕事も出来ちゃう。
なんと、ブランケットまで貸してくださるんです。フライト気分♡
北浜から三条駅までスヤスヤ眠れました。

通常の京阪の特急列車に有料で座席指定できる
特別車両があり、それを「PREMIUM CAR」と言うそうです。
おけいはん、やるやん!!


二人掛け席と一人掛け席に分かれているのがうれしい


足元広々
この後ブランケットを貸していただきました