先週の土曜日は、月に一度の篠笛練習会でした。
シンガポール人メンバー中心の練習会で、私は3年半以上この練習会の進行役を務めております。
私含めてほとんどのメンバーがゼロから篠笛を始めた人たちです。
毎月和気あいあいと、でも真剣に練習に取り組んでいます。
ちょっとみんなの自慢をさせてください。
みんな、とても「いい音」を出すんです。
スッカスカの音とか出さないですよ。
万一出てしまったら、
「今のは"airy"(スッカスカ)だったからもう一度」と言って吹きなおします。
人の音、自分の音を聴いて、どんな音が篠笛の音として良いのかをそれぞれが分かっています。
メンバーの誰かが、いい音を出した時、「今の音、すごくいい!」ってみんなで反応します。
篠笛のキレイな音を聴くのが好き、そして自分もキレイな音を出そうと努力する人たちです。
全員太鼓もやっていて、太鼓の練習でスタジオに来た時によく屋上で篠笛の個人練習をしています。
努力家さんたちなんです。
実は現在残っているメンバーは私も含めて、器用に何でもソツなくこなすタイプではなく、1つのことが出来るようになるのに非常に時間がかかる人たち。
今みたいにいい音が出せるようになるのにかなり年数がかかっています。
でも、不器用だからこそ、篠笛を始めた時に真っ先に派手な運指の曲には飛びつかず(飛びつけず)、基本中の基本となる「音」の質を高めていくところから始めることが出来たんだと思います。
月例練習会の内容は基礎練習中心でとても地味。
試行錯誤していくうちにそうなって行きました。
もちろん曲練習もしますけど、曲を次から次へとたくさん練習したい人からしたら、つまんなかったかも知れないですね。
今残ってるメンバーは根気あります。
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シンガポールで篠笛を頑張るメンバーたち
これは今月ではなくて数ヶ月前の集合写真 |
今月の練習会ではメンバーからたくさんの質問を受けました。
お囃子の指打ちが難しいという話にもなりました。
(私は指導者ではないので、上がった質問の全てに答えることは出来ませんが、自分の知りうる限りの範囲内で、実際に自分が実践してみて出来るようになったこと、理にかなっていると思ったこと等に関しては、情報の「シェア」という形でメンバーに伝えるようにはしています。)
ここ数年でメンバーの嗜好にもだいぶ変化が見られ、お囃子を吹いてみたい人たちが増えています。
それは私もそうです。実際に日本の祭でお囃子を吹いたことはありませんが、私も年々お囃子、お囃子らしい篠笛の音を出したいという気持ちが高まっています。
篠笛がもともとどういう場面で吹かれてきた楽器なのか、どういった曲で篠笛が持つ音の美しさ、華やかさ、軽やかさ、清らかさが発揮されるのかを考えると、お囃子、お囃子らしい音曲を吹くのが自然の流れなんじゃないかと。
これは私の個人的な気持ちで、メンバーがどこまで考えてお囃子を吹きたいと思っているかは定かではありません。
ただ、彼らが祭囃子で流れる篠笛の音に「日本らしさ」を感じているのは間違いなく、祭が何であるのかという理解は充分に及ばずとも、お囃子を自分も吹くことでその「日本らしさ」に触れてみたい、日本と繋がっていたいという気持ちを持っていることは分かります。
篠笛で「千本桜」(古い?)を吹きたいと言われたらズッコケますけど、お囃子を吹きたいと言っている彼らの篠笛に対する姿勢はすごくまともだと思います。
さて話を元に戻すと、シンガポールで篠笛を頑張るメンバーたちは、個人差はあれど今こんな状態です。
音はきれいに出るようになってきた。
でも曲吹きになった時、それぞれのきれいな音が繋がっていかない。
特に自分たちのやりたいお囃子の曲になると指がついていかない。
どうしたらいい?
ん~、いっぱいクリアしていかないといけない課題がありますね。
メンバーから篠笛に関する質問や議論が上がってくるのは嬉しい反面、それは私達の練習内容のレベルも一段階上がる時期に来ているということなので、練習会を仕切る側としてはさらなる勉強と練習が必要となります。
指打ち、指回しだけでなく、息遣い、姿勢、構え方といったことにも練習会で触れていかなければならないでしょう。
私個人にとってもこれらは喫緊の課題です。
まずは自分がきちんとクリアしていかなくては、練習会のメンバーに何も還元出来ませんからね。
今月の練習会は、メンバーの成長が感じられただけに、次の課題も明確に見えてきて、ちょっと今まで以上に気合い入れていかないとダメだなと気持ちが引き締まりました。
ちなみに今回、メンバーが主に使ったのはこちら↓の笛です。
このプラ管、プラ管なのに下手な竹管よりずっと鳴るんです。
こちらについてはまた書きますね。
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練習会メンバーに大好評の唄用プラスチック製篠笛
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プラスチック製篠笛
「篠音-しののね-」唄用7本調子
1700円(税別)なのにめちゃくちゃ鳴る
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以上、シンガポールの篠笛練習会についてでした。