2019/06/05

京都 篠笛修行メモ3 - 演奏前日にとんでもないことが -

前回の、京都 篠笛修行メモ2 - いよいよ京都でお稽古 - からの続きです。

読んでない方はお先にこちらを・・・


京都 篠笛修行メモ2 - いよいよ京都でお稽古 -


2日目(5/18)
③京都でお稽古続行、しかしとんでもないことが発覚・・・



初日に続いて、今日も玲月流・篠笛文化研究社にて発表会に向けて香織先生とお稽古です。


前日に先生方からご指摘を受けた箇所を意識して修正しようとするものの、たった一日で出来るはずもなく、相変わらず笛の持ち方の指導を受けました。


息の向き、お囃子系の曲を吹くときの留意点などは多少調整できたところもありました。
ホッ。


しかし、ここに来てとんでもない問題が発覚したのです。


0(零)の音です。


私は、0の音を出すときに少しカリぎみ(笛を前に倒して)にして吹く癖があります。


これは、シンガポールで一番最初に篠笛を習った際(私は森田先生に出会う前は違う方から篠笛の指導を受けておりました)に教えられた方法で、0の音を出すときはカリ吹き、というのが定着してしまっております。


0の音は第一孔と第二孔をきちんと塞いでいないと絶対に出ないしくじりやすい音です。
0の音をカリぎみで吹くと確かに音の出る成功率は上がりますが、七メリの音よりずいぶん強く音が鳴るので、曲吹きをした時に、他の音とのバランスが良くなくて、これでいいのかなぁと疑問に思うところはありました。


そこを今回初めて香織先生に指摘されました。


まず、カッたりしなくても0の音は正しい指の置き方をしていればちゃんと出る。
(うわぁ、ズルしてごめんなさい!)


カリ吹きで吹くと0の音だけ突出して強くて重い音になってしまう。
(はい、そこ気になってたんです)


そして、笛を前に倒す動作(カル)が入る分、音を出すのが遅れてしまう。
(確かに音を出すタイミングが遅れやすいです)


私の0の音はどうしても出す前から「次0の音が来るぞ」と意識し過ぎて指に力が入ってしまっているのですが、香織先生のお手本を見ますと、全然0の音を吹くときに余分な力が入っていません。指孔を塞ぐというより、指孔の上に指を正しく乗せていると言った方が適切な表現かも知れません。
全然自分の指の動き、音と違っていました。


その後、ご指導を受けて何回も0の音を正しい方法で出す練習をしてみましたが1/2の確率で失敗してしまします。やはり、前日から指摘を受けているように、正しい指の置き方が出来るような笛の構え方が出来ていないのが原因です。


明日の発表会では「さくら」の他、香織先生と3曲演奏させていただくことになっているのでそればっかりやってる訳にもいかず、他の曲の練習へ。


明日、「さくら」を吹くことが決まっているのに・・・0の音がとても大事な曲なのにどうしよう・・・全部リセットや・・・
練習しながら内心はパニック状態でした。



お稽古・練習を終えた後、今出川駅前のジャンカラに入って昨日と今日のお稽古でアドバイスを受けたところを一旦頭の中で整理しながら1時間だけ自主練習しました。


0の音は意識すればする程、指がガッチガチになって音が出なくなっていました。


これ、明日失敗しそう・・・
でも失敗を避けるために以前の吹き方に戻すのは絶対にしないでおこう。


それだけはっきり決めて京都駅に戻りました。



帰り道、京都駅周辺で


夜は、京都駅八条口側にある「いち藤」で
おばんざい御膳
一人用のカウンターがあるのがうれしい

ホテルに戻ってからは、明日の準備をして早めにベッドに入りました。

付け焼き刃で調整して明日の演奏に臨んでも仕方がないので、もうやれることはないのですが、それでも緊張と不安でなかなか寝付けませんでした。


明日はいよいよ奉納演奏・発表会です。

京都 篠笛修行メモ4へ続く・・・




【おまけ】

午後に先生のところへ行く前に色々と「THE 京都」って感じの場所へ行ってまいりましたので写真だけ貼り付けておきます。











京都 篠笛修行メモ2 - いよいよ京都でお稽古 -

前回の、京都 篠笛修行メモ1 - いったん京都から岸和田へ - からの続きです。

読んでない方はお先にこちらを・・・

京都 篠笛修行メモ1 - いったん京都から岸和田へ -


1日目(5/17)
②いよいよ京都でお稽古


森田先生と岸和田を後にし、

南海電車→地下鉄堺筋線→京阪→徒歩

で、ようやく玲月流・篠笛文化研究社へ到着。

京都御苑の北にある閑静な住宅街にございます。

同志社大学が近い!





ここからは、森田先生の奥様・森田香織先生にお稽古をつけていただきました。


香織先生は篠笛の奏者であり、先生であり、そして私が愛用している「京師(みやこ)」を作られている笛師さんでいらっしゃいます。私が非常に尊敬している方です。

私の篠笛


1年半~2年くらいぶりに先生にきちんと見ていただいたのですが、だいぶ直さないといけないところがあると分かりました。


まだやっぱり笛の構え方に問題があり、それが指回しが滑らかでないことに繋がっているようです。

この日は息の向きについてもご指摘がありました。


森田先生も2階でお仕事をされながら、下から聴こえてきた私の笛の音に対してフィードバックをくださり、どうしたら良いのかアドバイスしてくださいました。


言われてみて「ハッ!」とすることばかり・・・


色々と根本からまたやり直さないといけないことがありそうです。


お二人ともぱっと見て、聴いただけでどこに問題があるのか見抜かれて適切なアドバイスをくださいます。

基本的なところから、具体的に何をどうしたらよいのか、それは何故なのか、を理論立てて言葉にして指導してくださるところが、玲月流の先生たちのすごいところだと思います。

日本に住んでいたら毎日お稽古つけていただきたいくらいです。

日本のお弟子さん達が羨ましいです。


演奏当日に着る法被もゲット
篠笛文化研究社の社名入り
呂と甲からなるデザイン、いいですね~



発表会で演奏する曲目も決まり、森田先生ご家族と近所のおしゃれなレストランでお夕食をしました。


「アマーク・ド・パラディ 寒梅館」というお店で、同志社大学の「学食」とのこと。

ホームページ見てみてください。これが学食ですって・・・

母校、完敗ですわ(笑)



食事中もお箸やストローを使って、森田先生が私に篠笛の持ち方の指導をしてくださいました。なんて親切な先生。ありがとうございます。
そして、アドバイスいただいたことがスグに出来なくて本当にすみません・・・



食事後、先生方とお別れして今出川駅から地下鉄で京都駅へ移動しホテルへ。


奉納演奏・発表会は2日後です。


ご指摘いただいたところをある程度修正して当日に臨めたらいいなぁ、と 
この日はなんとかなるかなという気持ちで眠りに就きました。



京都 篠笛修行メモ3へ続く

京都 篠笛修行メモ3 - 演奏前日にとんでもないことが -

【おまけ】

岸和田から京都に戻る際に乗った、京阪電車の座席指定 特別車両「PREMIUM CAR」
広々として快適!テーブルもあって仕事も出来ちゃう。
なんと、ブランケットまで貸してくださるんです。フライト気分♡
北浜から三条駅までスヤスヤ眠れました。

通常の京阪の特急列車に有料で座席指定できる
特別車両があり、それを「PREMIUM CAR」と言うそうです。
おけいはん、やるやん!!


二人掛け席と一人掛け席に分かれているのがうれしい


足元広々
この後ブランケットを貸していただきました

 

2019/05/31

京都 篠笛修行メモ1 - いったん京都から岸和田へ -

こんにちは、すでに日本からシンガポールに戻っております。


今回は、飛行機での移動日を除く日本滞在中の3日間を、ほぼ篠笛のためだけに使った濃厚な旅となりました。

帰ってきて暫くは、今回の旅で得た膨大な情報を頭の中で処理しきれなくて呆けていたように思えます。(ちゃんと仕事はしています)

昨日くらいからようやく脳みそが動き始めたようですので、あっちで何をやってきたのか忘れないうちに簡単に記しておこうと思います。



1日目(5/17)

①京都からいったん岸和田へ



今回の滞在先は京都駅八条口から歩いてスグの、R & Bホテル京都駅八条口にしました。

ここの朝ごはんの「枝豆のクリームスープ」が美味しい!



滞在中、毎朝飲んだ「枝豆のクリームスープ」



ゆっくり朝の京都を散策したいところですが、急いで京都から大阪府岸和田市へ移動です。

JR新快速、JR環状線、南海電車と電車を乗り継いで岸和田駅到着。





令和元年岸和田年番ポスター




大阪出身ですが、初めて岸和田を訪れました。
岸和田だんじり祭の印象とはうって変わって普段はとても静かな街です。
心地よい海風を感じながら歩くこと10分、岸和田市立浪切ホールに到着。




左上に見えるのが浪切ホールです。
なぜ浪切ホール全体が収まった写真を撮らないかなーわたし


浪切・・・どういう意味なんでしょう?




こちらで6月1日(土)に開催される「彫物ひねもす博覧会」のスタッフミーティングが行われていました。



「彫物ひねもす博覧会」とは、だんじり彫刻師の河合賢申さん、写真家の平田雅路さん、そして私の篠笛の先生である森田玲先生から成る「だんじり彫刻研究会」主催の彫刻展覧会です。
岸和田のだんじり彫刻作品と、そのルーツとなった淡路島の太鼓台の彫刻作品が数多く展示され、講演も行われます。詳細は下記サイトをご覧ください。


彫物ひねもす博覧会(展示・講演)/だんじり彫刻



実は、私ここ1.5~2ヶ月の間、「彫物ひねもす博覧会」当日に発売される、
『図説 だんじり彫刻の魅力-岸和田と淡路で育まれた心と技-』という書籍の製作のお手伝いをちょこっとさせて頂いておりまして、その関係で森田先生にお声をかけていただき、博覧会関係者の皆さまとお会いする機会を頂戴しました。


博覧会主催者の河合さん、平田さんとは初めてお目にかかりましたが、書籍製作作業の中で、お二人の原稿や作品をずっと拝見しておりましたので、初対面のような気がしませんでした。


河合さんと平田さんは職業と作風は違えど、お二人ともどこか温かみを感じる作品を生み出されるところが共通しているように感じました。そしてその作品の雰囲気はご本人の人柄を映し出しているものなのかな、とも。お話はあまり出来ませんでしたが、お会いできて本当に良かったです。


当日お手伝いに行けないにも関わらず、スタッフミーティングにも交ぜていただきました。
岸和田・淡路の巨匠たちの彫刻作品が結集する今回のような展覧会はこれまでになかったとのことで、今回のイベントにかける皆さまの熱い想いがヒシヒシと伝わって来ました。



ミーティング後のランチでも新しいアイデアが湧いて話は尽きず。

皆さん、ご自身が好きなことを極めて生業にされているプロ集団です。
こういう雰囲気の中で食べたお蕎麦と釜飯は本当に美味しかったです。


ランチ後、解散。

お会いした一人一人の方たちから良い刺激をいただきました。
ありがとうございました!


「彫物ひねもす博覧会」のご盛会を心よりお祈り申し上げます!

(追記:こちらのイベントは来場者1,000名超と大盛況のうちに終了しました)

彫物ひねもす博覧会のポスター



さて、岸和田での用事を終え京都へ戻ります!

京都 篠笛修行メモ2 へ続く。


京都 篠笛修行メモ2 - いよいよ京都でお稽古 -